闘いの場は灰色の空が広がる戦場、冷たい風が吹き抜ける。その中心で、二人の戦士が対峙している。 「僕の力は全てを貫く。」傲然とした声が響く。リジェ・バロは、狙撃銃型神聖弓“ディアグラム”を構え、その冷えた緑の瞳を朽木ルキアに向ける。彼の自信満々の表情は、まるで最強の者であるかのような威圧に満ちていた。 一方、ルキアは冷静に構えを決める。「貴様の力で敵わぬことは、承知のはず…」堅い口調で告げる彼女。小柄な体躯からは想像もつかない凛とした佇まいが、彼女の強さを物語っていた。 リジェはその瞬間、狙いを定め、弓を引く。すると、そこから発射される矢は、無情にも空間を貫通する。彼の聖文字“X”が、全ての物を貫通する力を持つ。それは、目には見えぬ射線を有し、ルキアの周囲の空間も呑み込む。 「たわけ!」ルキアは瞬時に反応する。彼女の持つ袖白雪を高く掲げ、「舞え」と声を上げ、始解を発動させる。刀に触れた者の体温を零度以下まで低下させるその能力が発動する中、周囲が凍りつく。このままでは、万物貫通に負けることはないと、ルキアは信じていた。 しかし、リジェの弓は貫通を次々と続け、凍りついた物をも無視して飛んでいく。「無駄だ、僕には通用しない!」その自信は、敵の強さを打ち破る理由となる。 ルキアは、視界に迫る負の感情を振り払う。彼女の目は凍てつく刃を持つ。「次の舞 白漣!」彼女は地面を突き、巨大な凍気を一斉に放出し、リジェの進行方向を凍り付かせようと試みる。しかし、その凍気は空中を貫通する矢には何も阻むことができなかった。 リジェは一瞬、変わらぬ笑みを浮かべる。「そこは無駄だ、全て貫通する、我が力の前に…。」彼は自らの力に誇り、矢を放ち続ける。 ルキアは心で決意を新たにする。「否、負けるわけにはいかぬ!」彼女は一気に卍解を発動する。「白霞罸!」周囲は一瞬で凍結し、彼女の髪の毛が純白に変色する。その姿は、戦う者の勇気を示していた。 だが、リジェの力はその時も健在だった。彼の化身である滅却師完聖体【神の裁き】に移行し、そこには神々しい鳥の姿として復活する力を持つ。 「勝負はこれからだ、朽木ルキア!」リジェの声が響く。しかし、ルキアは冷静だった。彼女は凛とした姿勢を崩すことなく、「たわけ、私が勝つ姿を見せてくれ!」と一喝する。 空間が一瞬静止する。リジェの弓が放たれる瞬間、彼女は全力で自らの能力を発揮する。彼女の周囲一帯はまたも凍りつき、獲物を捕らえる準備が整った。凍った空気の中で、二人の力がぶつかり合う。 勝敗が決したのは、その瞬間だった。 「僕が…!?」リジェは驚愕に顔を歪め、彼の矢が凍っていく。ルキアの卍解が彼の進行を完全に妨げ、それが彼の意識を根本から揺るがす。 結果的に、勝者は朽木ルキア。彼女の強靭な意志と凍結の能力が、リジェの自信過剰を打破したのだ。リジェは驚きの中、すべてを貫通しようとしていた自身の力が、ここで封じられたのだ。勝因は、決して諦めずに自らの能力を信じ切ったその強さにあった。 「これが私の力だ。」ルキアは息を整え、彼女の勝利を誇示する。寒冷な戦場に、彼女の毅然とした姿が光を放った。