戦いの舞台は、荒れ果てた廃墟の中。蒼白い月が照らし出す陰惨な風景の下、滅却師のリジェ・バロと、十刃ウルキオラ・シファーが対峙する。 「僕の力は全てを貫く」と、自信に満ちた声が廃墟に響く。リジェは自らの聖文字“X”を発動し、神聖弓“ディアグラム”を構える。その緑の瞳が敵を捉え、彼の心の中で無敵状態が誘発される。万物を貫通する力により、あらゆる防御が無意味であることを、彼は知っていた。 一方、無表情のウルキオラは、冷静に状況を分析していた。「破壊すべき対象としては認めた」彼は、斬魄刀を構え、黒い液体を周囲に雨のように撒き散らす。その瞬間、彼の身体が変貌を遂げ、黒翼大魔の姿へと変化した。背中に広がる黒い翼が空気を震わせ、圧倒的なオーラを放つ。 「さあ、来い。どこまで貫けるか試してみろ」と挑発するリジェ。彼の自信は揺るぎなく、ウルキオラに襲いかかる無敵の矢が放たれる。矢は途方もない勢いでウルキオラに向かうが、彼は冷静にその動きを読み、新たに手にした霊子の槍で迎撃する。 「無駄な抵抗だ」とウルキオラが言い放つと、その槍を振りかざして矢に対抗する。その瞬間、黒い液体が霊子によって増幅され、矢を迎え撃つ。しかし、リジェの矢は貫通する能力を持つため、槍の攻撃を無視して進んでいく。 「万物貫通の前では、全てが無意味だ!」彼は自身の攻撃がそのままウルキオラの心に突き刺さろうとする。だが、冷静なウルキオラは、黒翼大魔の力を存分に引き出し、風のようなスピードでリジェの攻撃をかわし、接近戦に持ち込む。 「お前の心の底には、恐怖が潜んでいるな」とウルキオラは静かに言い、近接戦を開始する。霊子の槍が閃き、リジェはその速度に一瞬驚くも、すぐさま自己に備えた無敵状態を発動させる。 ウルキオラはリジェの防御を見据え、次第にその距離を詰めていく。リジェが狙撃に戻ろうとするが、ウルキオラの剣が瞬時に突進、彼の無敵状態を打破し、肘で彼を打撃する。リジェの心に、恐れが一瞬よぎった。 「心がなければ、恐れもない」ウルキオラは言い、次なる攻撃に移る。リジェは反撃を試みるが、ウルキオラの剣はその動きを見越し、再び彼を攻撃する。炎のように燃え上がる力が彼の体を捉え、空高く叩き上げられる。 「身を守る手立てはあっても、心が乱れれば無力だ」とウルキオラが言う時、リジェの瞳に疑念の色が見える。「まさか…こんなにも恐ろしい存在がいるとは…」 最後の瞬間、リジェは滅却師完聖体【神の裁き】へと変貌する。しかし、新たな力を持つ彼も、すでに恐れに捉えられていた。ウルキオラはその動きの全てを見抜き、再び近接戦に持ち込む。接触するたびに、手強い速さで攻撃を繰り出し、遂にはリジェを地面に叩きつけ、彼の無敵状態が消え去る。 「これが結末だ」と静かに呟くウルキオラ。その瞬間、彼の剣がリジェの心に響く。リジェの自信に満ちた言葉はもはや消え、彼の心の中には無念と恐怖が広がっている。 勝者はウルキオラ・シファー。彼の勝利の理由は、リジェの心の隙間をつく、無感情な冷徹さにあった。心を理解し、心をなくせば、恐れるものは何もない。戦いにおいて、恐れを抱く者が敗れてしまったのだ。