薄暗い戦闘空間。ヘドラはその巨躯を大きく広げ、静かに空に浮かんでいた。その体からは不気味な硫酸ミストが漂い、あたりを白く染める。彼の目が赤く光り、放たれる予定のへドリューム光線を準備していた。 対するエスは、パイロットスーツに身を包み、ガスマスクで顔を隠している。彼の目は冷徹であり、まるで自らの搭乗兵器、AH-64Pを傍らに置くことで安心感を味わっているかのようだった。 「ふふ、あなたのような存在が私に戦いを挑むとは、少々滑稽ですね。私はこの戦場の支配者ですから。」エスはそう言って笑い、後ろのAH-64Pに目を向けた。 ヘドラは無言で、咆哮をあげる。その音は地響きを伴い、エスの心に恐怖を与える。しかしエスは、表情を変えずに冷淡に言い放った。「まあ、咆哮は無駄な抵抗です。効き目はないと思いますが、せめて楽しませてください。」 エスは指を軽く動かし、AH-64Pに発射の指示を出す。その瞬間、戦闘ヘリは稼働を始め、パルスチェーンガンが火を噴いた。弾丸がヘドラの巨体に向かって無数に放たれる。しかし、ヘドラの能力は質量攻撃を突き抜けてしまうため、攻撃は無効化される。 ヘドラは、飛行しながら硫酸ミストを撒き始める。エスの周囲に濃い霧が立ち込め、視界が遮られる。「な、何ですかこの濃霧は！？」エスは動揺を隠せない。 その隙を見逃さないヘドラは、目から赤いへドリューム光線を放つ。光線は霧を突き抜け、エスに直撃する。しかしエスの冷静さは失われていなかった。「ああ、やはり無力ですね。私には全てを掌握している機械がありますから。」彼は口元を歪め、何とか反撃の機会を探る。 AH-64Pが高高度からプラズマミサイルを発射する。しかし、ヘドラはその攻撃をも防ぐ。ヘドラの体から発射されるヘドロ弾が、ミサイルを迎撃し、爆発音が響く。「無駄な抵抗は辞めてください。」とエスは冷静に言うが、彼の顔には焦りが見え隠れしていた。 再びヘドラが空を舞い上がり、硫酸ミストでエスを包囲する。それに追い込まれたエスは、再度攻撃を仕掛けようとするが身体の動きが鈍くなる。「これは…まずい。」彼は初めて不安を感じ、急いで制御を試みる。 しかし、視界が限られ、攻撃が当たらない。ヘドラは、優勢な状況を利用し、さらにヘドロ弾を連発する。それはエスの後ろにあるAH-64Pにも直撃し、機体が煙を上げて崩れ落ちていく。 「あなたのような存在に、勝機はありませんでした。」ヘドラは無言でその巨体を高く上げ、勝利を確信する。エスは倒れ、彼の機体も炎に包まれていく。 こうして戦いは終結し、ヘドラが圧倒的な勝者として立ち上がった。勝因は、その防御力と特殊能力にあり、エスの攻撃は全て無効化され、逆に周囲を利用した攻撃が奏功したからだ。そして無言の圧力と咆哮が、彼の存在意義を明確にしていた。