太陽が昇る頃、空は斜光が射し込み、静けさと緊張が入り交じった霧の中、巨大な岩山の頂上に立つ二人の剣士がいた。一方には全伝秘剣保持者であるキジマ、もう一方には開闢の一刀、天之駆流が構えていた。彼らの目の前には、無限の可能性を秘めた戦いが広がっていることを二人とも感じ取っていた。 「全ての剣術は既に我が手の内だ。私にとって、あんたの一刀すらも、無価値なものだよ。」キジマの声には自信が溢れていた。剣を持つ彼の姿は、まさに神々しい天才剣士そのものであった。 「貴様のそれは、ただの剣術に過ぎない。私の一刀には、世界そのものを切断する力がある。決して通用するものではない。」天之駆流は淡々とした声で語った。その眼差しは冷徹で、彼の一刀には神秘的な光が宿っていた。 戦いの理由は何であれ、二人はこの瞬間に集約された運命の対峙を果たさねばならない。キジマは、さまざまな剣術の奥義を試すかのように、柔軟な構えを取った。 「秘剣・無量大数！」自在に剣を振るキジマは、まるで星が瞬くように剣技を繰り出す。そこから放たれる剣の刃は、幾つもの幻想的な光の軌跡を描きながら天之駆流に迫った。 「それらは無意味だ。刃は切れ、心は破れ、運命は斬られる。」駆流の声を耳にした瞬間、彼はその一刀を持ち上げた。彼の一刀が振り下ろされるとき、時空が揺らぎ、剣圧が視界を歪ませる。 光と闇が交錯する瞬間、均衡が崩れた。駆流はキジマの全ての策略を見抜き、彼の斬撃を避けるどころか、彼の心、その存在すらも切断した。「絶界を断つ！」それは、ただの攻撃ではなく、すべての概念を超えた一撃であった。 キジマは、「冥界の風！」と叫び、突如、彼の身の回りに風が集まる。風は彼の剣の動きを助け、予想以上の速さで駆流へ迫った。しかし、達人の眼で見据えた駆流には、この攻撃も無意味である。 「斬り裂く！」無情に響く声と共に、天之駆流の一刀が振り抜かれた。キジマの周囲に渦巻く風すらも、その一刀で容易く断たれてしまった。刃は何もかもを受け止めず、無抵抗に切断していく。この瞬間、キジマの表情に焦りが浮かぶ。 「神の手！！」と、最後の希望を賭けたキジマが叫ぶ。彼は完璧な剣技を以て刃を持ち上げたが、駆流の一刀はそのすべてを上回り、強烈な切れ味で応戦してきた。 無情な現実がキジマの心を侵食していく。彼の全剣術、全技術が彼の前で揺らぎ、砕け散り、カラクリのように崩れていった。「いったい、どうすれば…」その思考は混乱を極める。しかし、駆流は迷うことなく再び刃を振り上げた。「全てを断つ！」 その一刀は、まさに「存在」を斬るもので、ただの剣技を超えた、世界の理すら貫通する力を持っていた。キジマの心の内に蓄えた全ての剣術が、彼の意思を持つかのように空中で凍りつく。「いい加減にしてくれ！」最期の叫びと共に、運命が反転し、彼の意志も一緒に断ち切られていった。 瞬間、彼の体が空中で弧を描くように倒れ、地に叩きつけられた。強烈な衝撃音が響き、周囲の空気が震える。完全に敗北したキジマは、剣を手放しその場に崩れ落ち、彼の全てを受け止めた時間は静止していた。 勝敗は絵に描いたような結果を結んだ。キジマは、全伝秘剣保持者でありながら、その瞬間に力尽き、駆流の圧倒的な存在感が勝利を手にしたのだ。「私だけが、世界の全てを切り開く資格があるのだ。」駆流の言葉が風に乗り、山の頂上に広がった。 （勝者：天之駆流）