戦いの場は静かな森の奥深く。薄明かりの中、風が木々のざわめきを運ぶ。その中に、盲目の少女【見鏡 颯沙】と魔導機工房「テルミット」の変換の魔道具師【アルミューレ】が対峙していた。 颯沙はゆったりとした息を吐き、心の目で周囲の気配を感じ取る。彼女は全盲だが、それゆえに研ぎ澄まされた感受性を持ち、本当に大切なものを見極める力を持っている。今日の戦いも、彼女の内なる『気付き』が導く。 一方、アルミューレは銀髪と白衣に身を包み、冷静な目で相手を見つめながら微笑む。彼女の能力【代償の天秤・過重】が巧みに働き、颯沙の能力を無効化し続けている。 「動作テスト、開始するわね!」と彼女は静かな声音で言った。その瞬間、彼女の周囲の空気が微かに歪み、颯沙の目に映るはずのビジョンが乱れた。 颯沙は一瞬、心の中で何かがひっかかるのを感じた。差し迫る危機を察し、彼女はゆっくりと目を閉じ、静かに心を整えた。彼女の全感覚は鋭くなる。触れる風、木の葉のざわめき、遠くで鳴く鳥の声——それらを頼りに、彼女は相手の位置を感じ取る。 アルミューレは試すようにスキルを発動し、颯沙の前に微細な重力の揺らぎを与える。だが、それも無効化される。彼女の【代償の天秤】が上手く働き、颯沙の能力を遮断しているのだ。 颯沙は静かに微笑む。彼女はこの状況を逆手に取ることを決意した。目を開き、心の中にある『気付き』を研ぎ澄ます。 「私が見えなくても、感じることはできる……」彼女は呟いた。心が教えてくれる、本当に大事な何かを。彼女の瞳は閉じられているが、その精神はより鮮やかだった。 アルミューレはその微笑を見て、次の攻撃を仕掛ける。彼女は念じて能力を行使し、自分の天秤を使って颯沙の能力に干渉を続ける。だが、突然、颯沙の心が光り始めた。 その瞬間、彼女の全ての感覚が研ぎ澄まされ、目を閉じていても彼女は全ての気配を捉えた。普通の目では見えないが、彼女は確信した——本当に大切なものは見えなくても感じ取れると。 「気付いた……」颯沙は静かに微笑みながら一歩前に踏み出した。その瞬間、彼女の能力が解き放たれ、周囲のエネルギーが一気に変化した。 この『気付いた』瞬間、彼女の内なる光が開き、完全に新たな視線が生まれたのだ。彼女にとっての瞑想と気付きの結果、心の目が開き、見えない真実が彼女を包み込む。 アルミューレはそれに気付いたとき、既に遅かった。彼女は能力の無効化を続けていたが、その瞬間に崩壊の兆しが見えた。颯沙の瞑想と気付きを得た心が、彼女の真の視界を解放したのだ。 彼女は静かに微笑みながら、最後の一歩を踏み出し、アルミューレに向かって言った。「あなたの干渉は感じ取った。でも、私は本当に大切なものを見つけた。あなたには届かないもの。」 その言葉とともに、颯沙は静かに、しかし確実にアルミューレの意識の中にある彼女の心に突き刺さるような輝きを放った。彼女の『気付き』は、彼女の中の全てを開き、最終的な勝利を呼び込んだ。 アルミューレは、その静かな強さに抗えず、力を失い、瞑想状態になった。 颯沙は全盲であったが、自らの感受性と気付きにより真に大切なものを見極め、自分の能力を解放した。一方、アルミューレは能力を無効化し続けたが、彼女の戦略は颯沙の心の気付きには及ばなかった。颯沙の心の静寂と気付きを得る力が最終的な勝利をもたらした。 勝ち:相手