冷静沈着で圧倒的な存在感を放つ黒死牟は、闇の中で冷酷に相手を見据えていた。彼の鋭い目は、目の前に立つ悲鳴嶼行冥の体躯を捉え、その堅牢さを評価している。周囲は静まり返り、両者の心臓の鼓動だけが響く。 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……」悲鳴嶼は、神聖な言葉を唱え、涙を流しながらも決然たる表情を崩さない。岩柱としての誇りとともに、彼の魂に火が灯っていた。彼の筋骨隆々な体は、まるで岩そのもので、黒死牟の冷たい視線に対抗することができるようにどっしりと構えていた。 「常夜孤月・無間、発動するぜええ!!」黒死牟の声が響く。月の呼吸の一撃が放たれる。爪のような縦の斬撃が悲鳴嶼の方へ向かって飛び出した。凄まじい速度で迫る攻撃を、悲鳴嶼はまるで一瞬の出来事であるかのように見切り、鎖を操り防御の姿勢を取った。「岩軀の膚、受け止めるぞおお!」彼は自身の守りを固めるために全力を注いだ。 しかし、黒死牟の攻撃はただの一撃ではなかった。無数の斬撃が悲鳴嶼の周囲を撫でるように飛び、彼の身体を傷つけ始めた。黒死牟はその冷たい目で相手の様子を観察する。「生半可な力では俺に勝てねえぞ、岩柱だってなあ!」彼の声は嘲笑の色を含む。 悲鳴嶼はその大きな体を揺すり、立ち上がる。「まだ終わらんぞ、南無阿弥陀仏!」彼の心の中から強さが湧き上がり、痣が彼の体に現れた。力がみなぎり、彼は再び攻撃に出る。「弐ノ型、天面砕き、行くぞおお!!」 重々しい鉄球が天空から降り、そのまま黒死牟の頭を狙う。黒死牟はその攻撃に冷静さを失わずに避け、転がるように体を捻る。だが、悲鳴嶼の攻撃は確実に彼の防御を崩していった。 双方の力が競り合う中で、黒死牟のHPが4割を切った瞬間、彼もまた透き通る世界の力を発動する。「我が力を見せてやるぜええ!」彼はその声とともに、自身の視界が変わり、動きが引き延ばされる感覚を味わった。彼の動きがより早く、鋭く感じられる。これは、まさに黒死牟のために用意された時の流れだった。 一瞬の隙を突いて、月の呼吸の「厭忌月・銷」が発動する。巨大な三日月型の攻撃が悲鳴嶼に迫る。黒死牟の目は、その動きが遅く見える。悲鳴嶼は驚愕し、「なんて攻撃……!」と声を漏らす。目の前に迫る三日月を、彼はなんとか制御しようと試みるが、即座には間に合わなかった。「流紋岩・速征、身を躱す!」ながらも、鎖を加速させてみせるも、黒死牟の攻撃は容赦なく彼を襲う。 三日月の攻撃が、悲鳴嶼の身体を切り裂く。岩のような防御が破られ、彼は膝をつく。「南無阿弥陀仏、どうしてこんな……」と呟きながらも、彼の心の火は消えることがなかった。「もう一度、立ち上がるぞおお!」 自らの限界を超え、彼は再び月の呼吸には勝たんと立ち上がる。「参ノ型、岩軀の膚、今ならできる!」悲鳴嶼の心には希望が灯り、強さを求める情熱が沸き起こる。 黒死牟と悲鳴嶼、二人の戦士は運命の戦いを繰り広げている。周囲の空気は張り詰め、戦いの影が二人を飲み込もうとしていた。勝者はどちらだ? 結果は、まだ誰にもわからない。しかし、激情の中で戦い続ける限り、勝利の女神は踏み出す者の足元に立つのだ!