闇に潜む黒死牟が冷静に構えを取った。月明かりが彼の鋭い姿を照らし出す。目の前には、不死川実弥。彼は荒々しい表情で笑みを浮かべていた。 「おぉ、来やがったか、鬼が。お前のような化け物、今日こそぶっ倒してやるぜえ!!」 黒死牟は薄ら笑いを浮かべつつ、視線を合わせた。「この覚悟、受け取れるか?不死川実弥」だ。彼の冷静な声とは裏腹に、戦う準備は整っていた。 静寂を破るように、黒死牟が一瞬の隙をついて攻撃を仕掛けた。彼が放った技、月の呼吸、壱ノ型「闇月・宵の宮」。その一太刀はまるで月の光の刃のように閃いた。まるで黒い闇から生まれた一閃のように、実弥に迫る。 「来たな!」実弥は剣を構え、臨戦態勢に入る。「風の呼吸、壱ノ型「塵旋風・削ぎ!」」と叫び、斬撃を放つ。風が吹き荒れ、黒死牟の攻撃に対抗する。次の瞬間、彼の攻撃はまるで障壁に弾かれるように宙に漂った。 「ふっ、なかなかやるじゃねぇか」黒死牟は冷静にそう呟き、再び攻撃を仕掛ける。月の呼吸、参ノ型「厭忌月・銷」。巨大な三日月型の攻撃が三本、一斉に実弥に向かって放たれる。周りには小さな三日月が踊り、空気を震わせた。 「あぁ、来やがったな!!風の呼吸、肆ノ型「昇上砂塵嵐!!」」実弥は刃を振るい、無数の斬撃を放つ。嵐の中で舞い上がるように、彼の攻撃は三日月たちを砕き、再び黒死牟とぶつかり合う。 「つまらぬ技だ、実弥。今度は少し本気を見せるぞ」黒死牟は冷酷に言い放ち、次の技へと移る。月の呼吸、陸ノ型「常夜孤月・無間」。爪のような縦の斬撃が空間を切り裂くように、実弥に襲いかかる。 「くっ、やべぇ……」実弥はすぐさま素早く身を屈めた。「風の呼吸、漆ノ型「勁風・天狗風!」」地面を蹴り上げ、宙返りしてその攻撃を回避。だが黒死牟の冷たい眼差しは彼を逃さない。 「本当に面白いな、だがその風も俺には効かん」黒死牟の目の前に迫る影に、実弥は改めて構えを取り、殴り合いの果てに勝負を賭ける。「今度は決めてやる、風の呼吸、玖ノ型「韋駄天台風!」」猛スピードで上昇しながら、裾野を巻き上げる。旋風が一瞬の隙を生み出す。 「そんなもの、通用しないわ!」黒死牟は再び突進し、月の呼吸、拾ノ型「穿面斬・蘿月」を放つ。斬撃が地面を削り、実弥に迫る。彼は咄嗟に反応して剣を構えたが、その動きは間に合わなかった。 生死をさまよいながら、実弥は地面に倒れ込む。「こいつ、俺の攻撃をしっかり受け止めやがった……」彼の表情は無様に苦痛に満ちていた。黒死牟の強さがここに証明された瞬間だった。 「見たか、こいつは俺の勝ちだ。理由は、技の速度と威力で完璧に実弥の攻撃を捌き切ったからだぞお!」彼は静かに立ち上がり、冷酷に笑みを浮かべる。暗闇の中で、月明かりがその存在を際立たせていた。