魔の森の深い闇の中、触れる者を腐らせる気配が漂っている。ナメクジのように冷たい霧が立ち込め、藪の向こうからは異様な腐臭が立ち昇る。そこには、全身の肉が溶けかけた巨大な竜が立ち尽くしていた。彼の名は【腐砕竜】アンデット・ドラゴン。失われた翼を持ちながらも誇り高く、彼の存在は恐怖と畏怖をもたらしていた。 一方その頃、薄闇の中から静かに現れた影があった。最強のドラゴン殺し、グランヴィアス。彼の体はドラゴンの鎧の重みに覆われ、目には冷静な光が宿っている。ドラゴンという存在がいかに恐ろしいか、彼は幼少期のトラウマから知っていた。家族をドラゴンに殺された復讐劇の終焉を、今こそ決行する時が来たのだ。 アンデット・ドラゴンは、彼が敵であると認識した時、周囲の空気が一瞬にして変わったことを感じ取った。彼の目は半分腐った焦点が定まらずも、確かな殺気を持っていた。一方、グランヴィアスは心の内に高まる殺意を押し殺しながら、慎重に距離を詰める。 「お前を、倒す…!」 そう呟いた瞬間、アンデット・ドラゴンは「酸の泉」を発動させた。彼の周囲に溶解する霧が立ち込め、すぐさまグランヴィアスに向かって熱帯の毒が飛び出していく。まるで生き物のようなその腐食性の液体は、目にも留まらぬ速度で彼を襲った。 「無駄だ、腐り落ちることはない!」 グランヴィアスは瞬時に弓を引き絞り、「爆弾弓」を放った。矢は空中を切り裂き、グランヴィアスの知恵と計算された動きによって衝撃波を引き起こした。そこから逃れるように、アンデット・ドラゴンは尾を振りかざし、範囲の広い薙ぎ払いを繰り出した。一撃必殺の威力を秘めたその攻撃は、死の奔流を収束させるように広がった。 グランヴィアスは速やかに戦場を旋回し、身をかわした。彼の動きは鋭く、まるで流れる水のように滑らかだ。だが、アンデット・ドラゴンは彼に劣らぬ素早さで尾を振り下ろし、周囲の木々をなぎ倒していく。 「トリックショット!」 その機を捉えたグランヴィアスは、一瞬の隙を突き、罠を設置した。爆雷のように響く音を立て、反撃の時を迎える。アンデット・ドラゴンはその反応に一瞬平衡を崩しかけた。グランヴィアスは攻撃の隙を逃さず、ドラゴン殺しの剣を振り下ろそうとする。 「これで終わらせてやる!」 それを受けて、アンデット・ドラゴンは「魔の瘴気」を放ち、自らの腐臭を強めた。霧のように立ち昇る瘴気はグランヴィアスの精神に干渉し、その頭を狂わせていく。しかし、グランヴィアスは冷静さを失わず、必死に反撃を続けた。 「ファイナルドラゴン斬り!」 一瞬のうちに距離を詰めたグランヴィアスは、力強く剣を振り下ろしたが、アンデット・ドラゴンは【竜の肉体】によってその攻撃を受け流した。「全ての攻撃が必殺」となるその肉体に対し、グランヴィアスの攻撃はかすりすらもせず、衝撃を受けたのは彼自身だった。 「くっ…!」 グランヴィアスは後退し、すぐに体勢を整え直そうとする。しかし、アンデット・ドラゴンは再び侵攻を開始した。巨体を持って尾を振り回し、圧倒的な存在感と力で彼を翻弄する。能力の片鱗が見えると、周囲に蔓延る腐臭が彼の神経を苛む。 「実力を見せてやる!」 グランヴィアスは、今まで抑えていた力を開放する。身体全体に魔力を集め、肉体を強化。他のドラゴンたちを屠ってきたその技術を活かし、異様なスピードでアンデット・ドラゴンに接触し、瞬時に間合いを詰める。 一瞬後、グランヴィアスは相手の脇をかすめる形で斬りかかり、「麻痺攻撃」を発動させた。しかし、その攻撃もアンデット・ドラゴンの腐りきった肉体には通じず、逆に彼の毒の爪が襲いかかる。グランヴィアスの防御を正面から打ち破り、肉体を傷めつける痛みが襲ってくる。 「引かない…!」 グランヴィアスは踏ん張り、全力を込めて再び「ドラゴン切り」を放つ。強烈な刃のように光る剣が再度振り下ろされ、ついにアンデット・ドラゴンに直撃を果たした。 その瞬間、アンデット・ドラゴンは一瞬の静寂に包まれる。しかし、彼の不死性は前に進む。この一撃は彼に致命的な痛打をもたらすことはなかったが、グランヴィアスの挑戦への顕示は恐怖となり結実していく。 勝者の目には、ほのかな勝利の兆しが見え隠れする。 結果: グランヴィアスはその技巧と戦略的な頭脳を駆使し、持ち前の剣術でアンデット・ドラゴンに傷を与えることに成功したが、アンデット・ドラゴンの不死の力と繰り出される攻撃パターンには完全には抗えず、勝者とは呼ばない。 勝ち:相手