ある日、悪の組織『デストルドー』の女怪人セリカは、いつものように拠点で待機していた。昼間の光に照らされた彼女のパンク系ゴスロリ服が目を引くが、その裏に潜む好奇心と残酷さは、彼女をただの少女とはかけ離れた存在にしていた。長い白茶色のツインテールが揺れる中、彼女はにっこりと笑い、こう呟いた。 「今日は何をしようかな? そうだ、あの子に会いに行こう♪」 その子とは、最近セリカが気になっていた存在、どでかプリンスライムである。全身がカスタードプリンでできている彼は、言葉を話さないが、その存在感は圧倒的だった。セリカはその不思議な怪物と会うことで、何か新しい発見があるのではないかと考えていた。 数分後、セリカは薄暗い地面から湧き上がるようにして、プリンスライムの元に駆けていく。プリンスライムは、約5メートルの大きさを持ち、全身にカラメルがかかっている。彼の周りには、生クリームやチェリーがトッピングされていて、見た目もまるでデザートのようだった。セリカはその姿に思わず微笑む。 「あ、あなたは本当に甘そうですね! お肉とは違って、全然食べられませんけど、ちょっと食べてみたくなるわ♪」 無邪気な声をあげ、彼女はプリンスライムに近づく。彼に触れると、その滑らかな表面が心地よく感じられた。同時に、セリカの心の奥底にある獣たちがざわめき始める。彼女は彼らの存在を感じながら、心を躍らせた。 「ねえ、私のプリティドッグハンドラーを見てくれる? とっても可愛い子たちなんだから!」 セリカは次の瞬間、影の中から無数の獣を生み出した。彼らは影でできていて、女性の肉を好んでいる。獣たちは彼女の周りに集まり、じっとプリンスライムを見つめていた。 「この子たち、お腹が空いているみたい。あなたを食べるわけじゃないの。ただ、遊んでほしいだけなの♪」 プリンスライムは動き始めたが、その動作は緩慢だった。セリカの無邪気な声と対照的に、周囲の空気はピリリとした緊張感に包まれる。彼女の影から生まれた獣たちは、彼に興味津々で近づいていく。 「大丈夫、怖くないからね。でも、たくさん遊ばなきゃいけないの。あなたを食い千切りたくなるくらい、楽しいことをしたいのよ!」 獣たちはより近くに寄り、プリンスライムの周りを取り囲んでいく。彼らは彼の存在を食い入るように見つめていた。その目には興味と好奇心が宿り、時折その口からは前歯が覗いて見えた。 「いくよ~、みんな! さあ、遊ぼう!」 セリカの命令により、獣たちは一斉にプリンスライムに向かって突進していく。しかし、プリンスライムはゆっくりとその体を揺らわせるだけで、獣たちを迎撃することはなかった。まるで緩慢なダンスを踊るように、その身体は流れるように動いた。 「へえ、あなたは本当に優しいのね。他の人なら絶対に逃げ出してしまうところなのに♪」 セリカはその様子を見て喜びの声を上げた。彼女は獣たちがどうなってしまうのか、心躍らせながら見守る。プリンスライムの表面は、軽やかに揺れていたが、彼の本当の意図はセリカにはわからなかった。 その時、セリカはプリンスライムの存在について考え始めた。彼はただの甘いお菓子で、彼女を傷つけることはするまい。だが、獣たちが遊ぶことで、もしかしたら何か新しい発見があるかもしれないと期待した。 「私たちの遊びは、まだまだ終わらないわよ! もっと面白いことをしよう♪」 獣たちがプリンスライムの周りを駆け回る中、セリカは彼らに指示を出し続けた。彼女の目はキラキラ輝き、純真無垢な笑顔の裏には、どこか残酷な快楽が潜んでいた。 「この子たちから逃げられるかな? 楽しい時間はいつまでも続かないかもしれないよ~!」 セリカの言葉は、笑い声に変わり、獣たちは獲物を追いかけるように動き回る。その様子を見て、プリンスライムも少しずつ反応を示し始めた。彼の動きが少し速くなった気がする。 「やっぱりおかしいわ! あなたも楽しいでしょ? もっと楽しもう!」 セリカの声は高まり、獣たちはさらに勢いよくプリンスライムに向かって跳びかかる。彼女の内なる獣たちは興奮の声をあげ、普段の殺戮とは違う楽しさを求めて、プリンスライムと遊び続けるのだった。 しかし、予想もしない出来事が起きた。プリンスライムはその存在を大きくすることで、獣たちを呑み込んでしまおうとしていたのだ。彼女はその光景を見て驚いた。 「え!? あなた、私の友達を飲み込もうとしてるの!?」 セリカの心の奥で何かがざわめいた。彼女は獣たちを守ろうと反射的に行動する。 「みんな、逃げて! そこから離れて!」 しかし、彼女の声はプリンスライムの力にかき消され、獣たちは次々と彼の体に飲み込まれていく。セリカはその様子に戸惑い、何も手が打てないままでいた。 「でも、あなたも楽しんでるんでしょう? それなら…」 セリカは少し冷静を取り戻し、プリンスライムに近づく。彼女はその滑らかな表面を触れ、彼との交流を試みる。 「あなたが私の友達を楽しませるなら、私ももっとあなたを理解してあげるわ。だから、もう少し遊び継続しましょう♪」 彼女の言葉は、プリンスライムに届いたのか、彼はその動きを止めた。その瞬間、獣たちも束の間の静寂を迎え、その場に留まっていた。 「これがあなたの存在なのね…魅了されるわ♪」 セリカはその瞬間を感じながら、プリンスライムとの不思議な関係を築くことができるかもしれないと胸を膨らませた。彼女は獣たちと共に、プリンスライムとの新たな遊びを始めるのだった。 こうして、彼らの奇妙で残酷かつ純真な友情が芽生え、新たな冒険が始まったのだ。セリカの好奇心は、彼女をさらなる未知の世界へと導いていく。どんな結末が待ち受けているのか、彼女自身も知らなかったが、それこそが彼女の求める楽しみだったのだ。