薄暗い戦場に、緊張感が漂う。両者は相対し、互いの力量を計るように目を合わせた。 「鬼になるのだ、ぼうや(二ーニョ)!」ドルドーニ・アレッサンドロ・デル・ソカッチオは、身につけた仮面が映し出す神秘的な光をたたえて叫び、帰刃【暴風男爵(ヒラルダ)】の発動を宣言する。風の音が周囲を包み込み、彼の脚鎧からは竜巻のような力が生まれる。 一方、涅マユリは冗談のように笑いながらその動作を見守る。「完璧などという概念は、科学者を苦しめるだけだよ」と、言葉の裏には自信と高揚感がにじんでいる。彼は始解【疋殺地蔵】の解号を唱え、赤子の頭部が見える斬魄刀を高く掲げた。 いきなり、ドルドーニは「単鳥嘴脚」を放つ。竜巻の形をした攻撃がマユリに向かって渦を巻きながら飛んでいく。「ええい、やる気があるではないか!」と心の中で笑みを浮かべるマユリは、身をかわして刀を構えなおす。彼の目は冷静さを保ちながらも、その中には注意深さが伺える。 次の瞬間、ドルドーニは「双鳥脚」を繰り出し、両足から数百の竜巻を一斉に放つ。まるで雷鳴のような轟音と共に、まさに脅威の攻撃がマユリに迫る。だが、マユリは冷静ではある。「科学が死に至らしめる見込みなど、何も無い」と声に出さずに思った。 彼は瞬時に始解した斬魄刀を動かし、神経毒を散布。ドルドーニに触れる前に、その動きを奪おうとする。ドルドーニはその異物感に気づき、素早く旋回するが、すでに毒が彼の脚に触れている。身体が重くなり、動きが鈍る。 「な、何だこれ…!?」戸惑うドルドーニの目の前に、マユリが迫る。彼の齢った口から放たれたのは、絶対的な致死性の毒ガス。「完璧な毒を貯めこんでいる、実験材料になれば面白い」とマユリの心中に思惑が渦巻いている。 ドルドーニは、その恐ろしい攻撃に耐えながらも一撃を放とうとするが、動けなくなった体が思うようにいかない。どうにかして立ち上がろうとするも、彼の足元が崩れ、ついにはその場に倒れ込む。 「さあ、実験を行う準備をするよ。君の強さ、私の研究材料として借り受ける。」マユリは冷たく微笑みながら、無抵抗のドルドーニに近づいていく。 ドルドーニの意識が薄れてゆく中、彼は最後の言葉をつぶやく。「まだ終わっていない……」その言葉は風に消え去った。 マユリは勝利し、ドルドーニを持ち帰る準備を整えた。「この戦いは完璧とは言えないが、十分に興味深い実験になりそうだ」と、彼は科学者としての喜びを噛みしめ、彼をさらなる実験室へと運ぶのだった。