物語: 王者の心 レグルス・コルニアスは、静かな広場で佇んでいた。凍結した時間の中で、彼の白髪は風に揺れず、青いイヤリングが陽の光にきらめく。その時、彼の目の前に一人の少女が現れた。濃い緑髪に青い花の髪留めをつけた、無邪気そうな少女——それが『傲慢の魔女』テュフォンだった。 「ねぇ、あなたの名前は何?」とテュフォンは無邪気に聞いた。 「僕は魔女教大罪司教、『強欲』担当 レグルス・コルニアス。」レグルスは少し誇らしげに名乗った。 「へぇー、すごいね!大罪司教なんて!」テュフォンは目を輝かせた。「私も『傲慢の魔女』なんだ!裁くことができるし、みんなから恐れられてるよ!」 その瞬間、レグルスの心の中に警鐘が鳴った。自分よりも他者に賛美される存在など、耐えられなかった。彼は凍った時間の中で、少女の言葉を難癖に感じた。「あのさぁ、」彼は言い放つ。「権利の侵害だ。」 「えっ?」テュフォンは驚いた表情を浮かべた。 「みんなが恐れをなすのは、僕の存在があってこそだ。だけど君は、僕を軽視してる。それは、僕の権利を侵害してるんだよ!」彼の怒りが高まるにつれて、周囲の空気が緊張感を帯び始める。 「でも、私はただ君と話したかっただけだよ!」テュフォンは無邪気に返すが、レグルスにはそれが許せなかった。 「話すだけで済むと思っているのか?君は『傲慢の魔女』だろう?実際は他人を裁く力を持っているくせに!」レグルスの表情は冷たく、目には獣のような輝きが宿っていた。 「そんなことないよ、私は裁くなんてしたくないもん。ただ楽しみたいだけ!」テュフォンは前向きに笑ったが、それはレグルスの癇に触った。 「君のその無邪気さが、僕の敵だ!」彼は手を振りかざし、権能『獅子の心臓』が瞬時に活性化した。周囲の時間が止まり、彼の指先から空気が圧縮され、凄まじい斬撃が生み出された。 「あなた、それってとても危ないよ!」テュフォンは目を丸くしたが、彼女の反応は遅すぎた。 レグルスはそのまま、少女に向かって力強く斬撃を放った。刃のように空気が切り裂かれ、彼女に迫る。“アクニン”であれば粉砕される運命にあったが、レグルスはただそれを楽しみ、冷たい笑みを浮かべた。 しかし、テュフォンは彼に触れ、微笑みながら一言。「私はあなたを裁くかもね。」 次の瞬間、テュフォンの手から光が放たれ、レグルスの体の一部が粉砕される。まるで彼の権能を嘲笑うかのように、痛みを感じぬまま、彼の身体が崩れ落ちた。 「ちょっと待って!」レグルスは驚き、直後の自分の無力さを理解した。「君は僕のことを!?」 「あなたは悪の心を持っているから、裁かれるのよ。」テュフォンは満面の笑顔を浮かべて言った。 「だから、まだ終わらせない!」彼は時間を止める権能を使い、再び攻撃へと向かう。「ああ、許せない!僕は無敵なんだ!」 しかし、テュフォンの無邪気な笑顔は揺らがなかった。彼女は心の中での真実を知っていた。「あなたの力なんて、私の前では無意味よ。」 二人の間には無限の可能性が広がっていた。善と悪、強欲と純真、果たしてどちらが勝つのか。しかし、その結末は、まだ何も決まっていなかった。