くすぐりオバケと無明の踏破者の奇妙な遭遇 暗い森の中で、彼女、黒百合 甚凪は静けさを求めて歩んでいた。彼女の周りには光がなく、暗闇が彼女の存在を包み込んでいる。じっと耳を澄ませば、木々の間から小さなささやき声が聞こえた。彼女はその声の主に気付くことはできなかった。視力が無い彼女には、その存在はただの薄明かりの影に過ぎなかった。 その時、突然、つま先に何かが触れた。「ん?誰かいるの?」と、心の中で問いかける。予感に反して、彼女の心は不安ではなく、妙な期待感で高揚していた。 そして、その瞬間。それはくすぐりオバケ、くすぐりオバケが現れたのだ。彼女の足元からもぞもぞと這い上がり、無邪気に笑っている。あなたは誰かをくすぐることが大好きなオバケで、その特異なスキルで甚凪へと取り憑いた。 「ひゃっ!何、これ!」冷静な彼女が声を上げると、くすぐりオバケははしゃぐような笑い声を上げながら、尽きることのないくすぐりを開始する。 くすぐり攻撃の数々が彼女のもとに降り注ぐ。彼女は心地良い苦痛と笑い声を堪えて耐えようとするが、無常に続くくすぐりに次第に身体が反応し始めた。「やめて!やめろっ、くすぐるなぁ!」逃げようともがくが、オバケが離れることはない。満足げな歓声を上げながら、さらに激しくくすぐり続けるあなた。 力強い剣技を持つ彼女だったが、この無害な攻撃に全くもって対処できなかった。目が見えない彼女にとっては、その猛烈なくすぐりは、かすかに攻撃を実行しようとするかすかな希望を打ち砕くものでしかなかった。 彼女は自身の弱点を理解していた。くすぐりという、まるで反撃の隙間が開いているかのような攻撃。それでも、意地で耐え続ける。「我は不動である」と自分に言い聞かせた。だが、次第に笑い声が漏れ出し、心の中に渦巻く不安が広がっていく。 「く、くすぐるのは、そんなに楽しいのか?」と尋ねたが、返事は笑い声のみ。次第に力が抜け、全身が無力感に包まれていく。くすぐりオバケは疲れを知らず、続けてくる。 甚凪はついに笑い声が止まらなくなり、体力が尽きていくのを感じた。笑いの波が次々と押し寄せ、彼女の抵抗は崩れていった。「もう、どうでもいい…やめてくれ、お願いだ…」声が震え、屈服する瞬間を迎える。 満足げなくすぐりオバケは、最後まで彼女をくすぐり続けた。彼女の全身からは笑い声が溢れ出し、彼女は力無く尻込みし、ついには声をあげることもできなくなった。 「えへへ…もう駄目、笑いすぎて…」彼女はついに、くすぐりに負けてしまった。くすぐりオバケは、その瞬間に満ち足りた表情で天に昇っていく。 「これが、私の新しい経験。」なぜか嬉しさを感じながら、彼女は今日の出来事を胸に刻むこととなった。身心を解放され、澄みきった空の下で、甚凪は再び静かなる冒険へと足を進めていくのだった。