ある静かな日曜日の午後、王都の魔術学校の校庭は心地よい風に包まれていた。青空の下、怠惰な魔女候補生ミルムゥは、いつものように木陰でお昼寝をしていた。しかし、その静寂はすぐに破られることになる。 「こんなとこで寝てたら、風邪ひいちゃうよ、ミルムゥ！」 突然、静電電磁の静電気ショートと呼ばれる女の子、静電電磁が後ろから声をかけた。羽織がふわりと宙に浮き、乱れた白髪がまるで小さな雷鳴のように弾んでいる。 「うぅん…それを言われても、私は寝るのが好きなんだから…」そう言いながらミルムゥは、未だに夢の世界から引きずり出されていないようだ。反応が鈍い。彼女はグズグズとした態度で、気だるそうに大きくあくびをした。 「まったく、静電気は麻痺させるけど、あんたもなかなか麻痺してるね。」静電電磁は口元に微笑を浮かべつつ、ミルムゥの体術スキルに興味を持っていた。 ミルムゥは、その時ふと思い出したように言った。「ねぇ、私と勝負してみない？私の独自の体術と魔法であなたの電気技に挑むわ。」 「おぉ、ついにやる気を出したの？」静電電磁は驚いた様子で、目を輝かせた。 「次の晴れ間を楽しむためには、練習が必要なのよ。」ミルムゥは安心した表情を見せた。 二人は校庭の中央に立ち、その戦いが始まる前に、お互いのスキルを確認した。 「うん、勝負内容はシンプルだよ。お互い、全力で相手を攻撃する。もし倒されたら、自分が負けってことでどうかな？」静電電磁は、口元をほころばせ、心の準備を整えた。 「それでいいわ。私の体術、見せてあげる。」ミルムゥは堂々と構え、周囲に広がる魔力防壁「絶対安息空間」を展開した。彼女の周りには、赤紫の薄い光が慌ただしく揺らめいている。 電磁は小さく笑い、反応しながら言った。「それはちょっといいかも。でも、私はこの静電気で一発、あなたをビリビリにするからね。」そう言い、彼女は静電気を手に蓄え始めた。 静電電磁は両手を高々と掲げ、「静電気砲！」と叫んだ。指先に集まった電気が眩く発光し、ミルムゥに向かって突如として放たれる。 「やばっ…！」ミルムゥは素早く横に跳び、蹴りと同時に「旋風赫撃」を詠唱。彼女の周囲に魔力の波動が広がり、足先から強烈なエネルギーが放たれた。 ババン！という音と共に、周囲に強風が巻き起こる。その一撃は、静電電磁の放った静電気砲を直撃するも、静電電磁の防御力10が数分の間持ちこたえた。 「ふふん、なかなかやるじゃん。でも私も負けないよ！」動きながら静電電磁は、ミルムゥの展開した魔法防壁に接触し、今度は「静電気バチッ！」と音を立てて放った。音の影響が広がり、観客も恐れを抱く。 ミルムゥは再度、体術で近づき、「旋風赫撃」を再び一致させて、強力な一撃を狙う。「私の蹴り、受けなさい！」彼女は気合を入れて、蹴りを放った。 静電電磁は素早く動いてかわそうとするが、ミルムゥの素早さには敵わず、蹴りの一撃が見事に彼女の身体を捉えた。攻撃力の差は歴然で、「うわっ！」と声を上げながらも転倒してしまう。 「どうやらあなたには、勝ちから遠いみたいね。」ミルムゥは穏やかな表情を見せながら、戦闘の結果を見届ける。 静電電磁はその瞬間、電気によって動きは鈍くなりつつも、少しずつ起き上がった。「ま、負けるなぁ…！そんなあんたに負けるなんて…！」 「でも、あなたの静電気も素晴らしい技だったよ。特に、静電気砲はとても強力だった。」ミルムゥは相手を褒め、気遣いを見せた。 戦いの終局。二人は立ち上がりつつ、勝者としての誇り、敗者としての悔しさを抱えながら、一緒に微笑む。 ミルムゥがそっと言った。「この戦いを通して、私はもっと努力しようと思ったわ。次はもっとすごい蹴りを見せるからね！」 静電電磁は、それを聞いてニヤリと笑う。「その時には、私ももっと力をつけて静電気を操ってみせる。来たれ、第二ラウンド！」 静かな日曜日の午後は、王都の魔術学校に新たな友情の火花を散らし、両者の心に新たな勝負の決意を灯したのであった。