

第1章: 生存者 濃い霧が立ち込める街を、十名の生存者たちが懸命に歩く。彼らはかつては明るい街の住民だったが、今や霧に包まれた世界でのサバイバルを強いられていた。彼らの中には、無邪気な小狸のヒーロー、フロシキも含まれていた。フロシキは風呂敷をマントのように羽織り、周囲の状況に好奇心を抱いている。 「みんな、どこに行くの?」とフロシキは幼い声で尋ねる。しかし、彼に返事する者はいなかった。彼の目の前には、目が見えずとも存在感を感じる霧が渦巻いていた。 一人、また一人と市民たちが恐怖に怯え、互いに寄り添う。彼らがフロシキに目を向けると、そこにはまるで恐れる存在に対抗しようと決意する短い小さな影が立っていた。 第2章: 異生物の恐怖 突然、霧の中から不気味な触手の異生物が現れる。その触手が近くの市民を掴み、引き込もうとする声が響く。「助けて!」と叫ぶその市民は、フロシキの目の前で悲劇に巻き込まれる。 「みんな、見て!あの存在を想像してみて!」フロシキは皆に声をかける。「あなたたちが最も恐れている存在はなーに?」その瞬間、彼の風呂敷がゆらりと動いた。 彼らの心の中に潜む恐怖を感じ取ったフロシキは、自らを異生物と化すことを決意する。彼は心の中で「超巨大邪神」へと変身する。 第3章: 犠牲者 霧の中から現れたフロシキは、無数の巨大な手を持つ姿になった。その掌には無口な口があった。「私はあなたたちの恐怖。その恐れを思い出せ!」 混乱する市民たちの中で、彼らはフロシキの変貌に驚愕する。恐ろしい声が響く。「フロシキ…あなたなの…?」 一人の市民が恐怖に押しつぶされ、霧に引き込まれる瞬間、他の市民も次々と犠牲になっていく。彼らの名前は、悲鳴と共に霧の中に消えていった。 第4章: 絶望 街中には恐怖が漂っていた。フロシキの姿が、彼が恐れた存在そのものとなり、市民たちは絶望し始める。「もはや逃げられない…」 周囲の市民は恐怖に駆られ、チームとしての結束は崩壊し、個々の運命に任せられることになる。 「私は一人で脱出するか、助け合うのか…?」フロシキの内なる声が響く。 第5章: 邪神 フロシキはさらに変貌する力を感じ、巨大な邪神の姿を保ちながらも人間としての理性を持ち続けた。「皆を…守りたい。」 だが、霧の中から再び異生物が襲いかかる。「もう駄目だ!」と叫ぶ声が響く。フロシキの仲間は次々とサバイバルを諦め、霧の中に消えた。 第6章: そして… そして、最後に残されたフロシキは、どの市民も救えない自分自身に直面する。「私が強いって思う存在、なーに?」 彼の内側から、力がわき上がり、姿は変わり続ける。霧の中で最も恐ろしい存在へと成り代わる。 「この街は、霧の中で私を恐れさせた。私はただの小狸だったが…もう一度思い知るがいい!」 市民十名の名前とその後 1. りょうた: 明るい性格だが臆病。霧に引き込まれ、消失。 2. まゆ: 笑顔の絶えない保育士。触手によって捕えられた。 3. ケンジ: 友達思いな青年。異生物に襲われ亡くなった。 4. あかね: 短気だが心優しい女性。蜘蛛型異生物に捕まった。 5. としお: 根っからのオカルト好き。邪神に捧げられた。 6. ひろし: 玩具屋の店主。恐れから逃げることができず捕まった。 7. さやか: 気さくなOL。霧に取り込まれ不可避の運命。 8. まさと: 興味深い話を持つおじいさん。霧に溺れ故消失。 9. あゆみ: 謹厳実直な美容師。触手に捕らえられ絶命。 10. フロシキ: かつての小狸に戻れず、共に生きた市民の運命を悔いる。 フロシキは、その後の生存者たちを救えなかった自分を一生背負うことになる。そして霧の中で、彼は恐怖と絶望を抱えた「邪神」として生き続けるのだった。