ある日のこと、広大な草原の中に、甘い香りが漂う場所がありました。そこにいるのはルビィ・コーラルハートという名の少女騎士です。 「えへへ……ぽかぽか気持ちよくて、眠くなってきました……」と、ルビィは優しい表情で微笑みながら、草の上でそのまま横になりました。コーラルピンクの髪が太陽の光に照らされて、まるで小さな花が咲いているかのようです。 この草原は特別な場所で、彼女の周りにはいつも小動物たちが集まってきます。ルビィの周囲には、うさぎやリスたちが遊び、時には彼女の周りをぐるぐると回るのが常でした。動物たちも彼女のやさしい心に惹かれて、まるで友達のように寄り添います。 その時、草原の一角から、金色の髪をもつ美少女、【祈る者】クリスタが静かに姿を現しました。彼女は聖者であり、いつも祈りを捧げている人でした。彼女の目は静かで、まるで何事にも動じないようでした。 「主よ、我が身を御守り下さい…」クリスタは座り込むと、目を瞑り、静かに祈りを捧げ始めます。その美しい声が草原の中に響いて、風に乗って漂っていくのです。 「えへへ、クリスタさんもお昼寝しませんか?」ルビィは笑顔で声をかけます。彼女はクリスタの存在をとても心地よく感じていました。 「私は今、祈りを捧げています。もう少しで、幸運の女神が現れてくれるはずです…」クリスタは落ち着いた声で返事します。彼女の姿は神聖そのもので、ルビィは心の中で尊敬の念を強めます。 ルビィが寝転ぶと、気持ちよい風が吹いてきます。「すぅ……すぅ……」と、彼女の寝息が響き、周囲の小動物たちもルビィの穏やかな気配に安心し、彼女の横で静かにまどろみ始めました。 その時、クリスタの祈りが深まるにつれて、少しずつ空気が変わり始めました。神聖な光が草原を包み込み、幸運の女神が姿を現します。 「幸運の女神よ、どうか我に御加護を…」クリスタは目を瞑ったまま声を続けます。彼女の祈りは強く、神と彼女の間に神秘的な繋がりが生まれるのです。 「え? どうしたの?クリスタさん…?」ルビィは目を覚まし、何か特別なことが起こっていることに気づきました。クリスタの周りに、神々しい光が集まっているのを見て、驚く表情を浮かべます。 すると、幸運の女神はクリスタの祈りの力を聖槍へと変え、その聖槍をルビィの方へ投げつけました。 「主よ、我が心に幸運を…」クリスタは決意を込めて叫びました。 「え!? なに?それは…!」ルビィはその瞬間、何が起こったのか理解できず、周りを見回します。しかし、聖槍は彼女に向かって一直線に飛んでいきます。 「えへへ……え? あっ!」ルビィは慌てて身をかがめます。「すぅ……すぅ……」と、先ほどまでの穏やかな眠りは、一瞬で緊張感に包まれます。 聖槍はルビィから数センチのところで、何かの力に阻まれました。その瞬間、周囲の動物たちも一斉に逃げ出し、草原は静寂に包まれました。 「これは…われに与えられた力なのか…?」ルビィは驚きを隠せず立ち上がります。「クリスタさん、どうしたの!?」 「主よ、我が身を御守り下さい…」クリスタは祈り続け、心を集中させていました。この瞬間、彼女の祈りが、一つの強大な力となって、ルビィを守っていたのです。 「えへへ……わたしは大丈夫だよ。みんながいるから!」ルビィは優しい笑みを浮かべ、動物たちを見つめます。 そうして、二人の少女が交わす祈りと甘い香りが、草原に満ちていくのでした。彼女たちの物語は、神聖な祈りと心温まる友情で彩られていくのです。 「えへへ……幸運はどこにでも隠れているよね、クリスタさん」とルビィが言うと、クリスタも微笑みました。「そうですね、ルビィさんの心の中に、いつも幸運があると思います。私たちの絆が、幸運を呼ぶのですから」 こうして、草原の少女騎士ルビィと聖者クリスタは、力を合わせて新たな冒険の旅へと出るのでした。そして、彼女たちの友情は、どんな困難も乗り越える力を与えてくれることを信じていました。えへへと笑うルビィの姿と、静かに祈るクリスタの姿が、草原に美しい風景を描き出していくのでした。