

冷たさを孕んだ空気の中、護廷十三隊十番隊隊長の日番谷冬獅郎は、自身の持つ斬魄刀「氷輪丸」を手に、武器を構えた。その翡翠色の目は相手を射抜くように見据え、冷静沈着な表情の中にも、すでに戦意を内に秘めていた。今、彼の前に立ちはだかるのは、十一番隊第五席の綾瀬川弓親。彼は美しい容姿を持つが、その裏には戦闘狂としての一面が隠されている。 弓親は、自分の髪型を整えながら挑発的に口を開いた。「ご覧 これが君の最期だよ」 彼の言葉には自信が滲み、斬魄刀「瑠璃色孔雀」を解放する。刀身が孔雀の羽のように色鮮やかに広がり、蔓状に分裂していく。その様は美しさと危険を同時に感じさせる。 「もうお前に勝ち目はねえ」 冬獅郎は無言で冷徹な声を返すと、「霜天に坐せ 氷輪丸」と解号を叫んだ。氷の龍がその姿を現し、彼の霊圧に応じて無限に氷を生み出していく。氷輪丸の力が、戦いの舞台を凍りつかせようとする。 弓親はその蔓を冬獅郎に向けて送り出した。「裂き狂え 瑠璃色孔雀!」 蔓は鮮やかな色彩を帯び、冬獅郎へと巻き付こうとする。一瞬、冬獅郎はその動きを見極め、氷の龍で牽制。しかし、弓親は巧みにその動きをかわし、蔓を彼の霊圧に接触させることに成功する。 「霊圧を吸わせてもらうよ、君はとても魅力的だ」 弓親は言いながら、その蔓から流れ込む霊圧を力に変えていく。確かに、冬獅郎の美しい冷気は彼の肌をさらなる美しさへと導く。しかし、冬獅郎はすぐに気を取り直し、先に進むことを決意した。 「氷の力で、全てを凍らせてやる」 そう言い放ち、冬獅郎は卍解「大紅蓮氷輪丸」を発動させた。周囲の温度が急激に下がり、羽と尾、さらには氷の花弁が彼の周囲を飾る。日番谷冬獅郎は今、真の力を解放した。 氷の力が攻撃となり、弓親の蔓へと向かう。その圧倒的な冷気に、弓親は一瞬怯んだ。自らの霊圧を吸われながらも、弓親は冷気に向かって突撃する。しかし、冷気が彼を包み込み、次第に動きを鈍らせていく。「いや、なんだこれは!」と驚愕しながら、バフをつけた自分が一瞬で衰弱へと至ることを悟る。 冬獅郎の力は、既に彼の霊圧を超えていた。弓親は氷の花弁が散る前に逃げようとしたが、自らの力が消えゆくことを実感した。彼は冬獅郎の冷酷な目を見つめ、敗北を認めないまま、周りの氷に貫かれた。 「勝者は日番谷冬獅郎。冷たい氷の心、ここに証明される」 冬獅郎は冷静に言い放ち、弓親の敗北を受け入れた。美しさと冷酷さ、そして勝利が彼の中で交錯する。 この戦いの結末は、ただ一つ。冬獅郎の圧倒的な力が、美の追求を超え、勝利を掴んだのだった。