リルトット・ランパード、星十字騎士団の聖章騎士は、金髪のボブカットを揺らしながら、気怠げな目で戦場を睨んでいた。彼女の後ろには、心強い仲間たちで構成されたバンビーズが一列に並んでいる。まるで仲間の期待を裏切るかのように、リルトットはぶっきらぼうな男口調で呟いた。「おやつぐらいにはしてやっからよ」そんな言葉に反響するように、仲間たちが微笑む。 一方、護廷十三隊の二番隊隊長・砕蜂は、冷徹な眼差しを向けた。華奢な身体からは想像できない速度を持つ彼女は、袖のない羽織から無数の影を生み出していた。彼女の頭には、数十年の経験が備わり、感情が時折覗く。この瞬間も、「暗殺」と呼ぶには派手過ぎる足音を立てることなく、彼女は静かに敵の動きを探っていた。 戦闘開始の合図が鳴る。リルトットは一瞬の隙をつき、聖文字“G”を発動する。「食いしんぼう(ザ・グラタン)!」彼女の頬が裂け、伸びた口が、砕蜂の能力を捕食すべく動く。驚きと共に、砕蜂は即座に反応する。「尽敵螫殺 雀蜂!」手甲が右腕に装着され、彼女はその切っ先でリルトットに立ち向かう。 砕蜂の swift を活かして、彼女は目にも留まらぬ速度で接近。剣がリルトットの肩をかすめ、その瞬間に『蜂紋華』の紋様が現れる。しかし、リルトットは冷静だった。「俺の力、食わせてやるよ。」バンビーズからの力を取り込むことで、彼女は砕蜂の攻撃を一時的に消化し、彼女のスキルを理解する。 一方で、砕蜂もリルトットの動きに注意を払い、再度攻撃を仕掛けるが、能力が消化されるのに気が付く。「何をした…?」砕蜂が戸惑う暇もなく、リルトットは滅却師完聖体【神の飢え(ガガエル)】に変身。背中から牙を模した羽が生え、威圧的な姿に変わると、戦況は一変する。 リルトットは、霊子の牙を放つ。鮮やかな光が戦場を貫き、砕蜂はその攻撃を回避するが、すぐに再び追撃を受ける。砕蜂は冷徹さを取り戻し、卍解【雀蜂雷公鞭】を発動。圧倒的な威力を持つミサイル型の攻撃がリルトットに襲い掛かるが、彼女はその刃を口からむしり取るように捕食し、自身の力へと変換する。 リルトットは嘴のような牙を開き、砕蜂に向かって突進する。「食わせろ!」無情に斬りかかり、砕蜂は後ろに跳び退き、その攻撃をかわす。だが、リルトットの反撃は容赦なかった。追撃を受けた砕蜂は、必死に反撃の準備をするが、リルトットの能力に次第に飲み込まれていく。 「これが…聖文字の力か…!」 砕蜂の心に一瞬の迷いが宿る。その瞬間、リルトットの霊圧が砕蜂を圧倒し始めた。「お前の速さも、ここまでだ!」リルトットの牙が砕蜂を捉え、激しい攻撃の波で押し流す。「だが…まだ終わらない!」砕蜂もまた持てる力を振り絞り、未来を託された戦いを続ける。しかし、リルトットの能力は既に彼女に食らいついていた。 結果的に、リルトット・ランパードが勝者となった。勝利の理由は、相手の能力を確実に捕食し、その特性を理解し尽くしたことで、砕蜂の攻撃を逆に利用することができたからである。彼女の神の飢えは、彼女自身を強化し、敵の力を奪う形で有利に働いたのだ。 リルトットは戦闘の終息を感じ、仲間たちに目を向ける。「おやつ、無事だぜ。」その台詞と共に、彼女の顔には少しだけ勝利を祝う笑みが宿った。