静寂が支配する戦場に、護廷十三隊の二番隊隊長、砕蜂が立つ。袖のない羽織を纏った少女は、冷静な眼差しで相手を見定める。彼女の前には、第5十刃のノイトラ・ジルガが立ち尽くしていた。長身を誇る男は、眼帯をつけたその顔に狂気の笑みを浮かべている。 「俺が十刃最強だ。」ノイトラは声高に叫ぶ。彼の言葉には、破滅を求める狂気が込められていた。 「滑稽な自信。」砕蜂は厳しい表情を崩さずに返す。「あなたがその名を背負うのも、今宵で終わり。」 戦闘が始まると、砕蜂は「尽敵螫殺 雀蜂」と叫び、瞬時に斬魄刀が手甲となって彼女の右腕に装着される。その瞬間、彼女の速度は通常の人間には計り知れないほどに加速した。ノイトラに向かって一瞬で接近し、ひと撫でするようにその腕を振るった。 ノイトラは反応するが、彼女の攻撃を避けることはできなかった。一瞬の遅れで、彼女の刀は彼の肩を切り裂く。そこに、美しい蜜蜂の紋様が現れる。「弐撃決殺」──次の一撃が必ず命を奪うのだ。 しかし、ノイトラは笑みを浮かべる。「この程度の攻撃で俺が死ぬと思っているのか?」 彼は「鋼皮」を発動させ、その頑丈な霊圧の外皮で砕蜂の攻撃を弾く。そして、瞬時に反撃に転じ、巨大な鎌を持った六本腕の姿となる「聖哭蟷螂」に変身する。光線を集中させ、彼は砲弾のような「虚閃」を解き放った。 「いくぞ、貴様の終わりだ!」 砕蜂はそれを一瞬の遅れもなく避けるが、衝撃波は彼女を吹き飛ばす。冷静さを保ちながらも、心に微かな動揺が走る。しかし、彼女の戦闘本能がそれを抑え込む。「私の勝利はまだ遠くない」 再び立ち上がり、彼女は卍解「雀蜂雷公鞭」を発動させた。巨大な砲台状の手甲が装着され、砕蜂の霊圧は一段と強まる。「これが私の真の力だ。受けてみなさい!」 砕蜂はノイトラに向けて、超強大な威力のミサイル型の刀身を放つ。凄まじい勢いで襲いかかる一撃は、ノイトラの装甲を粉砕するかのように見えた。しかし、彼は意外にも平然としていた。「破片だって喰らってやる!」 それでも、彼の「鋼皮」は限界に達し、彼を防ぐ力を失いつつあった。砕蜂の放った攻撃が直撃し、ノイトラは地面に叩きつけられる。未だにヒリヒリする痛みを抱えながらも、彼は立ち上がる。 「まだ、終わってはいない!」 砕蜂はその瞬間を逃さず、再び彼の傷を狙い定める。ノイトラの目の前に立ち、再度攻撃を放つ。彼女の刃がその体に深く切り込み、再び蜂紋華が現れる。「これがあなたの運命だ」と冷酷に言い放ち、彼女は再度激しく切り付けた。 「い、いかん…」ノイトラは崩れ落ちる。彼の顔からは狂った笑みが消え、絶望と敗北の色が浮かぶ。彼は彼女の前で無力なことを悟ったのだ。「俺が十刃最強だ、なんて…幻想だったのか…」 そして、砕蜂は静かに目を閉じたまま立ち尽くすノイトラを見下ろし、決定的な一撃を放った。瞬時に彼を切り裂き、彼の命を断った。 砕蜂はかすかな勝利の喜びを感じつつ、その冷徹な表情を崩さなかった。「過ぎ去った私の手に掛かってしまった。」彼女は淡々と呟く。戦いの終わり、彼女の冷徹な勝者としての姿がそこにあった。