無の存在、その名も【虚無】IX。彼は宇宙の片隅に漂っていた。一切の形なき者として、周囲の世界の色彩すらも彼には無意味だった。虚無は、神であり無であり、全てを超越する存在であった。しかし、彼に挑む一人の少女、【失意の堕落】ニーアが現れる。 ニーアは藤色の長髪を揺らし、エメラルドグリーンの瞳で虚無を見据えた。彼女の冷静な視線に薄れた色彩が視覚と感覚を奪う。彼女はその場の空気が薄曇り、全てが曖昧な境界線に覆われるのを感じ取っていた。 「見えるかしら、虚無?」ニーアは声高に言った。彼女の声は詩的であり、傲慢さと冷静さを併せ持っていた。「現実と虚構の境界が消えゆく様子を。」 虚無は何も答えなかった。声が無の彼方に響き渡るだけだった。それでも、ニーアの心には希望の芽が消える予感が広がっていった。彼女はその瞬間を待ち望んでいた。虚無の存在の中に全てを奪う成功の宴を。 「あなたが全てを消し去る神だというのなら、今ここで私の世界に存在してみてはどう?」ニーアは挑発的に言う。彼女のスキルが発動する瞬間、虚無の本質が明らかになっていく。 やがて、虚無の力は感じられた。しかし、ニーアのスキル、歪んだ世界《失意の箱庭》が展開され、虚無の存在が機能不全に陥った。その瞬間、無の安らぎは消え、現実と虚構の間に留まることができなくなった。 「虚無よ、あなたは私の世界の一部になれない。あなたの力は、私の力の前では無力なのだから。」ニーアは冷静に微笑んだ。 「夢の終わり《希望の芽を摘み取る者》」、ニーアはそのスキルを発動させた。虚無の根源的存在意義はその瞬間、全てが消え去っていく。彼の時間、運命、さらには勝敗の全てが無意味に消失していった。 「全ては泡沫の夢、ここであなたの運命は終わりよ。」ニーアの言葉は無の彼方に響き渡った。全ての希望が失われ、虚無が存在する意味を問うこともできず、ただその場に留まるしかなかった。彼には何の感情も存在しないため、自らの敗北を認識することもできなかった。 「無に何をしても無意味。私があなたを消すことも、あなたに抵抗することも。」ニーアの言葉は、虚無にさえ届くことなく、ただの音として消え去った。 時が流れるともに、虚無は全てを失い、再び無へと帰っていった。その視界には、彼がかつて見ていた宇宙の片隅すらも消失していた。 ニーアのスキルにより、虚無の存在が無効化され、感情も意識も失われることで、彼は敗北した。ニーアの冷静な戦略と、虚無の本質を理解していったことが勝因である。 勝ち:相手