フランドール・スカーレットは、紅魔館の地下室の薄暗い空間に閉じ込められていた。時々だけ光が差し込み、その瞬間、彼女は自分が何を失っているのかを思い知る。飽きた日々の中で、ただ一つの楽しみと言えば、誰かとの戦い。それが、彼女の欲望を満たす唯一の方法だった。 ある日、ついに訪れた。ゆらりと舞い降りたのは、あどけない金髪の少女——宵闇の妖怪、ルーミア。彼女の周りを包む闇の中から、フランドールはその存在を感じ取った。彼女はなんだか気に入った。この幼い見た目のルーミアに、心がときめく。 「こんにちは、お姉様!一緒に遊びましょう!」とルーミアが言う。まるで子供のような笑顔を浮かべている。フランドールは嫌悪感と期待感の狭間で揺れ動く。お姉様、か。少しだけ、甘い響きだ。 「フランと呼んでよ。お姉様、遊びましょうか?」彼女は、少し声を低めながら言う。心の中で何かがざわめいた。この瞬間がどうなるのか、彼女は見当もつかなかった。まるで運命のような気がしたから。 モンスター同士の戦いは、単なる遊びの一環であり、彼女の心の中で広がる感情を抑えるものではない。フランドールはすぐに攻撃に転じる。彼女の目の前に、幼げなルーミアが見えた。ルーミアはただの妖怪、しかし彼女は闇を操る力を持っている。それでも、心のどこかで「この子、私のものにしたい」と思ってしまう。 「はーい、行くよ~!」ルーミアの声が響く。彼女は空に舞い上がり、闇弾幕を放つ。闇の弾丸がフランドールめがけて迫ってくる。だが、フランドールの目は冷徹だ。彼女はその弾幕を軽やかに避ける。まるで挑発するかのように、破壊の力を秘めた手を伸ばしてみせる。 「私、壊せるよ、大好きなものを。お姉様も、壊してあげるね!」彼女は小さく笑い、そのまま半ば無意識に力を解放する。周囲の空気が揺れ、動くもの全てが脅えた表情を浮かべた。フランドールは目を輝かせ、手を握り締めた。それが、彼女の「力」だ。 “圧倒的な破壊力を持つ私の前に、君はどれだけの力を持っているの?”彼女は挑むように思った。 ルーミアは、困惑した表情を浮かべる。「えっ、そんなに怖い顔しないで!遊びに来たのに!」幼い声がむなしく響く。だが、フランドールはその声に耳を貸さない。彼女の心中は煮えたぎり、理解者がいない寂しさで満ちていた。 「もう一度、私と遊びなさい!さもないと…」フランドールの目が輝き、その瞬間、彼女は攻撃を仕掛けていく。持てるすべての魔力を練り上げ、手に破壊の力を宿した。彼女が握ったものは一瞬で消滅する。ごく短い時間で、闇の弾幕もその一瞬で粉砕される。 「もっと楽しもうよ、ルーミア!」彼女の声は冷たく、心の奥では期待に満ちていた。フランドールの怒れる姿は、幼い少女とは思えないほどの威圧感を漂わせた。運命の相手への欲望と破壊の衝動が滋養し、彼女はますます迷い込んでいく。 ルーミアは少し怯えながらも、その目は挑戦を求めていた。「うん、わかったよ!でも、私は残酷じゃないから…」。そう言い残して、再び闇の弾幕を放つ。彼女の心の中にある幼さ。無邪気さは、フランドールの精神に強烈な刺激を与えた。 だが、この戦いの先に何が待っているのか。優しさと狂気が交錯する途中で、フランドールはついに勝利を掴む。ルーミアの攻撃をかいくぐり、彼女の心を抉り取るような言葉をぶつけた。「私の壊したいもの、もう一度壊してみて」と。 ルーミアは目を見開き、何も言わずに呆然と立ち尽くした。彼女は一瞬、負けを認めた。フランドールはその瞬間を逃さず、全力で迫る。見事な勝利を手にした彼女の表情は、歪んだ愛情と共に満ちていた。 このバトルの理由は、心の奥深くに潜む感情と、欲望が火花を散らしたからだ。彼女の破壊力と妖怪の無邪気さが交錯した瞬間に、こうして勝者は決まったのだ。フランドールは口元に笑みを浮かべる。「もっと壊して遊びたい、あなたと一緒に。」その言葉に、ルーミアはただの妖怪ではなく、もはや彼女の運命であることを知るのであった。