【対峙】 薄暗く静寂に包まれた空間で、XA-003「アビス」はその身体を虚無のように漂わせていた。海のような液体の姿を宿し、まるで深海の中を彷徨うような存在。頭上には微かに光る光輪が、不気味な美しさを纏いながら彼女の周囲に漂っている。そして、彼女の周囲には圧力が渦巻き、周囲の者たちを飲み込むような静かな威圧感が広がっていた。 一方、その対峙する相手は、ユウゲン。彼は雲のように浮遊する性格を反映するかのように、闇に潜む危険と神秘を感じさせた。居合切りの達人としての自信を漂わせる彼は、果敢にXA-003に向き合った。その眼差しは鋭く、鋭角な刃のようだった。ユウゲンの身体は軽やかで、一瞬で間合いを詰める縮地法を使う彼にとって、この決闘もまた一瞬の勝負に違いなかった。 【開始】 静寂を割って、銅貨が放り投げられた。その音が二人の心跳を早める。XA-003はその場に立ち尽くし、他者の動きに反応することはなかった。しかしその無機質な身体が放つ圧力こそが、彼女の最大の武器である。両者の視線が合い、時間が止まったような錯覚が辺りを包む。 銅貨が落下し、弾む音が静寂を破る瞬間、一閃の度に全てを解き放つ。 【交錯】 ユウゲンの身体が動いた。彼の動きは、まるで風のように速く、周囲の空気すら巻き込むかのようだった。ツッと間合いを詰め、一瞬の内にXA-003の目の前に現れた彼は、抜刀する姿勢に入る。「一閃!」という声は、ただ心の中で繰り返されているようだ。 その刹那、XA-003は周囲のXA-003αを己の意思で揺らがせ、津波のように放つ。彼女の周囲が水圧によって圧迫され、異様な圧力がユウゲンに襲いかかる。まるでそれは、過去の思い出を持たない波のようで、目の前の者を押しつぶすかのようだった。 ユウゲンの刃が波に触れる——その瞬間、力が交錯した。圧倒的な水圧と神速の斬撃が激しくぶつかり合う。その一瞬、二者は互いを意識し、全力を尽くして圧倒し合おうとした。 【決着】 時間がゆっくりと流れる感覚の中、交錯した攻撃の結末が訪れた。ユウゲンの斬撃は、アビスの身体に触れた瞬間、異常な圧力によってその刃は束縛されるように止まり、力を失った。反対に、XA-003から放たれた水圧は彼の身体を一瞬にして包み込み、ユウゲンはその圧力に耐えきれず、地面に膝をつく。 結果、攻撃を受け切ることのできなかったユウゲンが勝負に敗れた。その背後には、アビスが淡々とした姿で立っている。目の前に輝く光輪から、勝利を決定づけるような静かな存在感が放たれた。 勝者はXA-003。圧倒的な防御力と周囲の環境が、ユウゲンの一撃を打ち消した。この戦いにおいて、アビスは無機質な存在でありながら、静けさの中に秘めた凄まじい力を見せつけ、彼女の存在はただそれに尽きた。