ある日の薄曇りの空の下、二人のプレイヤーが広々とした草原で出会った。異世界転移者リツは、目をキョロキョロとさせながら、周囲の風景に圧倒されていた。彼女の手には、巨大な魔導書「虚空の書」がしっかりと握られているが、その重量感にすこし不安げな表情を浮かべていた。 対照的に、旅のパティシエール、ルビィちゃんは、明るい顔でニコニコとする。彼女のコーラルピンクの髪が風に揺れ、その表情はまるで太陽のように輝いていた。「わたし、これでも立派なパティシエールなんですよ！えっへん！」と自信たっぷりに弁を振るう彼女は、楽しいお菓子を作ることが得意だった。 リツは、「あ、あの……」と声をかけるが、つい口ごもってしまう。「貴方は、何をされているんですか？」と小さな声で尋ねた。 「わたしは幻のケーキの材料を求めて旅しているんです！あなたも一緒にどうですか？」とルビィは微笑む。リツは、自分の存在感の薄さに少し恥ずかしさを感じつつ、「お菓子作り……とても楽しそうで、素晴らしいですね」と答えた。 その時、リツの魔導書「虚空の書」が突然反応する。そのページがぱたぱたとめくれ、彼女の心とは裏腹に魔法が創造されていく。「えっと、これは……？」とリツは困惑する。「魔法名: スイートバリア。効果: 目の前に甘い香りのバリアを作る。でも意味不明な付随効果: 大量のキャンディが空から降ってくる」と告げられると、困ったような顔をした。 「えへへ、面白いですね、その魔法！」とルビィは目を輝かせる。「わたしに任せてください！キャンディで素敵なデザートを作りましょう！」と彼女は提案した。 リツは少しドキドキしながらも、「それじゃあ、貴方の得意なことも見せてください」と言った。ルビィは嬉しそうに舞い上がり、手元から「クリスタル・シュガー」の魔法を発動させる。瞬時に、透明でキラキラ輝く砂糖の結晶が舞い上がり、空間を飾る。 「わ、綺麗……！貴方の魔法、素晴らしいですね！」リツは歓声を上げる。しかし、虚空の書はその隙をついて新たな魔法を創造する。「究極魔法名: キャンディグレード。効果: 最大限の美味しさを得られるが、意味不明な付随効果: 食べると体がバウムクーヘンの形になることがある」。 「これは……大変だわ！」とリツは魔導書を慌てて閉じようとするが、すでに魔法は発動してしまっていた。 ルビィはそんな一幕に大爆笑。「わたし、思い出せるかしら？バウムクーヘンの形になった貴方も、きっと可愛いですよ！えへへ！」 場面が笑いに満ちる中、リツは自分の不器用さに悩みつつも、友達の温かさに心が温まっていくのを感じていた。「貴方と一緒だと、私はもっと勇気を持てる気がします」と小さな声で言った。その言葉に、ルビィは優しく微笑み返す。 「わたし達、一緒に成長して素敵な冒険を続けましょうね！」と、彼女たちは、それぞれの成長のかたちを受け入れながら、新たな旅の一歩を踏み出した。草原の風は、彼女たちの友情と冒険の始まりを祝福するように、穏やかに吹き抜けていった。