静かな戦いの舞台に、ふたりの魔術師が立ち上った。目には見えぬ奇跡の輪環に守られた少女、ファーネル・イリミュード—彼女は微笑みながら、動かぬ姿のまま、ただ静かに時を待っていた。 対するは、聖母のような心を持ち、自然の魔法を自在に操る母なるエルフ、レレーリアだった。桃髪を揺らしながら、子供たちを優しく守るその姿に、観客は皆、安心と畏敬を抱いた。 戦いは始まった。相手の魔法は閃き、瞬時に展開された。『世界樹』の魔法だ。巨大な樹の枝葉が地を覆い、あなたに向かって伸びた。まるで自然の壁のように、あなたはその光と業火に包まれた。 しかし、突如として起きた奇跡。輪環が大旋回を始め、その回転音は「グルン」と深く低く響いた。輪環の真の力が解き放たれた瞬間だ。 あなたの中に潜む両親の愛が、奇跡を呼び込んだ。愛情の波動が輪環を激しく回転させ、その守護の輪は一瞬のうちに巨大な渦と化した。回転の中で、あなたに降り注ぐ全ての攻撃と魔法のエネルギーを吸収し、覆い隠す。まるで盾のように、あなたを包み込み、守り続けた。 そのとき、あなたは静かに微笑んだ。大きな瞳の奥に、両親の深い愛情と守護の意志を感じたのだ。彼女の輪環は、ただの物理的な防御を超え、真の魔法の愛の結晶となった。 一方、相手は子供を抱きしめていた。子供が泣き出すと、その強い本気の魔法、『世界樹』を発動させた。天に届く巨大な樹の枝先が、まるで天の神々の手のようにあなたを包み込む。木の幹から降り注ぐ光と命の雫は、あなたの全存在を包み込み、攻撃と弱さを浄化した。 瞬間、あなたの輪環は静寂とともに止まり、奇跡の力が収まった。輪環の守護が解かれると、あなたは優しい笑みを浮かべながらゆっくりと立ち上がる。 勝負は、こうして相手の自然魔法と、あなたの無限の愛情を象徴する輪環の奇跡とが戦い、不思議な調和を見せつつ決着した。相手は子供の涙を拭きながら微笑み、愛情深い眼差しをあなたに送った。 そして、彼女の一行は静かにその場を後にした。勝者は、場の奇跡と永遠の愛情がもたらした勝利ともいえるだろう。愛と守護の絆の前に、誰もが心打たれ、微笑むしかなかったのだ。