紅染めの狂宴 紅染めの里は、朝日が昇り始めるとともに妖艶な雰囲気に包まれていく。市場では、色とりどりの布地が並び、商人たちの声が賑やかに響く。しかし、その裏には鬼と妖怪の脅威が潜んでいる。今日はその脅威が、２人の妖怪の戦いで試される時だ。 山道を外れた場所に、静かな広場があった。高さのある木々に囲まれたその場所には、二つの影が対峙していた。 「金棒よーし、準備万端よな〜！」と、首を縦に振りながら呑鬼のエッヂラが言う。彼女は大きな金棒を庇から見せつけ、愛らしい赤髪のおさげを揺らした。その姿は、一見すると陽気な子供のようだが、硬い筋肉質な体つきはすでに戦う意思を秘めている。 一方、対するは蟒蛇の極怪、ガラガ。彼女は小柄でつぶらな瞳を持ちながら、鋭い赤眼が不気味に輝いていた。「おれをつついて蛇を出すって言うのは、お前さんの金棒への挑戦か？　で、美味いのか？お前さんは」と、クスクスと笑いながら間合いを詰めていく。 エッヂラは、ガラガの冗談には全く気付かず、無邪気な笑顔を浮かべた。「まだまだ遊び足りん、お前もそうよな〜？」彼女の言葉に周囲の空気が一瞬和らぐが、それは戦いの終わりを意味しない。 「それじゃあ、おれも遊ばせてもらうぜ」と、ガラガが小さく足を踏み出した瞬間、彼女の指が一本空に投げられた。指が宙を舞うと、瞬時に猛毒の蛇へと変わり、「ヒュー」と音を立てながら急降下してきた。 エッヂラはそれを冷静に見極め、金棒を振り回し始める。「ろっくんら！」その声と共に、関節がねじれ、腕が増え金棒が振り下ろされる。豪快な一撃が蛇に直撃。見事に弾き飛ばし、広場に響く音が余韻を残した。 ガラガは、その動きを見た後でも余裕の表情で「やるじゃねえか。でも、おれの真の力を見せるぜ」と言いながら両腕を蛇に変化させる。二つの蛇の頭が金棒に向かって噛み付いてきた。 エッヂラはその動きに応じ、回転しながら金棒を周囲に振り回し、ガラガの攻撃を引き離していく。「こっちも負けられんよな〜！」と自信満々に声を上げる。周囲には巻き込まれて吹き飛ばされる落ち葉や小枝が舞い上がる。 ガラガは距離を取ると、再び指を投げる。今度はその指が分裂し、さらに多くの毒蛇が生まれる。「こっちはワクワクさせてくれよ！」と、彼女の笑い声が響く。 次の瞬間、周囲から無数の蛇が襲いかかる。エッヂラは回転を保ちながら、その流れに逆らうように金棒を振り回し、大きな竜巻を起こす。「お前が来ても、負けんよな〜！」その言葉が風に乗る。 竜巻の渦が周囲に広がり、ガラガは一瞬、流されそうになるが、素早く身を屈めて回避する。その瞬間、エッヂラは微笑みながら金棒を振り上げ、反撃を仕掛けた。しかし、ガラガは持ち前の閃きで、身をかわしつつ蛇の力で締め付けにかかる。 一進一退の攻防が続く。エッヂラは骨を操作し、増えた角で周囲を固める攻撃を試みたが、ガラガはその隙に入り込み、両腕を蛇に変化させて一気に噛みついた。「絶対に逃がさないぞ！」 エッヂラは勢いに乗ることができなかった。だが、骨折を素早く治療する鬼力を使い、持ち始めた力を活かして反撃に転じる。「せっかくだから、決着つけようよな〜！」彼女が叫ぶと、無数の骨が踊りだし、技を増幅させていく。 周囲が震え、強烈な一撃が近づいている。だが、ガラガも負けてはいなかった。彼女は最大の妖術を発動し、空に巻き起こった蛇たちが一斉に降り注ぐ。「おれの勝ちだ、間違いない！」 だが、エッヂラは笑みを隠さず、金棒でその道を切り裂こうと繰り出す。戦いは熾烈さを増していくが、ついに彼女の一撃がガラガを禁じられていた一歩の距離まで迫った。 多くの蛇が絡みつく中、エッヂラの金棒がついにガラガの体に迫る。そして、強烈な一撃がその身体を捉え、肉の感触に金属音が響いた。 ガラガはその場に崩れ落ち、笑顔を崩さないまま言葉を残す。「やっぱり、この世はいいな…こっちでいい、おれは…」とつぶやき、そして静かになった。 勝者: エッヂラ