雨がしとしとと降り続く梅雨の午後、ルビィは小さな傘を持って町を歩いていた。コーラルピンクの長髪は雨粒に濡れ、しっとりとした光を帯びている。彼女の前には、相手であるりなが、翡翠色の髪を傘で包み込むようにしながら歩いている。 「ルビィちゃん、こっちに来て」とりなが柔らかい声で呼びかける。湿気の多い空気の中、ふわふわとした髪が彼女の魅力を引き立てている。傘の下では、ルビィは少し照れながら、でも心を弾ませて同じ方向へ歩み寄る。 「わ、わたし、こういう雨の日の散歩も悪くないと思います」とルビィは言う。雨音に混ざるように、傘の下での会話は心地よく響く。「特に、樹々の緑がより美しくなるから」 「そうだね。特にこういう、雨の香りがする日は特別だよ」とりなが微笑む。彼女の言葉に共感しながら、ルビィは小さく頷く。両者の髪が立体的な弧を描き、彼女たちの目の前に広がる雨に濡れた風景がどこか幻想的に映る。 「私、今日は少し特別なお菓子を作るつもりなんだ」とルビィが話題を変える。「この雨の日にぴったりの、しっとりとしたケーキです」彼女の言葉には、自信と期待が込められている。 「いいね。それ、私も食べたいな」とりなは嬉しそうに言った。「雨の日に甘いものって、心を和ませてくれるよね」 「えへへ、そう思ってもらえると嬉しいです」とルビィは照れくさそうに微笑む。途端に、彼女の心は更に温かくなった。「ちなみに、わたしはピーマンが大嫌いなんです。あれを食べると泣いてしまうくらい…」 「そんなに嫌いなんだ。でも、メニューには入れない方がいいね」とりなは少し笑いながら答える。「やっぱり、好きな材料で作った方が美味しいし」 雨の滴が傘の上に弾ける音は、二人の会話の合間にメロディを織り交ぜる。ルビィは、そんな音に包まれながら、りなの存在を心強く感じた。 「荒れた天気の日だけど、こうして話しながら歩くのって、やっぱり楽しいね」とりなが言った。その目は柔らかく、雨粒がそのまま頬をなでている。 「はい、わたしもそう思います」とルビィは心から答え、彼女の胸は優しさでいっぱいになった。「こうしてお話しできるのは、とても嬉しいです」 二人の心は、静かな梅雨の午後に溶け合っていく。雨音は心地よく、まるで彼女たちの友情を祝福しているように思えた。彼女たちは、それぞれの夢や挑戦を語り合いながら、少しずつ雨に打たれた道を進んでいく。 「この後、どこかお茶でもしに行く?」りなが提案すると、ルビィは目を輝かせる。「はい、わたし、行きます!美味しいケーキを食べながら、たくさんお話ししましょう」 心温まる会話を交わしながら、彼女たちは雨の中、やがて新たな思い出を作っていくのだった。雨が上がった後に混ざる香りと温かさが、彼女たちの情景をより美しく彩っていく。