バトルの舞台 静寂が降りる王都の曇り空の下、広場で待っていたのは、元天使のシスター「スミエル」と均衡の天使「伊調トモエ」だった。 スミエルは、天使の歌声で人々の心に安らぎを与える存在である。彼女の優しい視線とお淑やかな口調は、周囲の人々から温かく受け入れられていた。しかし、彼女の心の奥には大きな責任が潜んでいる。人々を守るために全力を尽くすことが、自らの天職であると感じているのだ。 一方、トモエは中立を保つために降臨した、白と黒の翼を持つ分身のような存在。その姿は神秘的で、彼女の二重のヘイローは美しさの中に冷静さをもたらした。「芽吹いた草木もいずれ枯れるべきですよ」という言葉は、トモエの信念を表れている。その言葉が示す通り、彼女は秩序を乱すものを許さない毅然とした意志の持ち主であった。 対峙の瞬間 「こちらでお会いするとは、運命のようですね、トモエ様」とスミエルが微笑みかける。 「スミエル様、あなたの慈悲深い心に感謝します。しかし、私も自身の役割を果たさなければなりません。均衡を保つために、あなたを相手にしなければなりません」とトモエは丁寧に返す。 瞬間、周囲の雰囲気が変わった。スミエルの真っ白なドレスが優雅に舞い、天使の魔法が彼女の手の中に収束していく。彼女はあらゆる聖属性魔法を使う資格を持っている。「神の意志が私の歌声に宿りますように」と彼女は呟き、聖なる光が彼女の周りに集まった。 トモエはその光を見つめ、自身の役割を思い出す。「その光は美しい。しかし、全てのものには終わりが訪れるのです。均衡が乱れるならば、私はその秩序を取り戻します」と冷静に語る。彼女の目は真剣だが、心には揺るぎない決意が宿っていた。 戦闘の開始 スミエルは空中に小さな光を放つ。「神の慈悲よ、我に力を!」と叫び、光が彼女の手から放たれ、トモエに向かって突き進む。その光は神聖な魔法であり、トモエを傷つけることなく、彼女の心を試すものであった。 トモエは軽やかに空を舞い、光を避ける。「あなたの慈愛、私には同じく必要です。ですが、私の存在を脅かすものには容赦しません」と彼女は言い、指を向ける。彼女の背後から白黒の翼が広がり、風を巻き起こした。 トモエはすかさず自らの権能を発動させる。「盛者必衰の権能、発動します!」と宣言。彼女の周囲にあるエネルギーが渦巻き、スミエルの放った光を数値化する。周囲のエネルギーが調和し、トモエに返る様子が印象的だ。 「全ては均衡を保つためです。あなたの持つ力を、返還させていただきます」と彼女は冷静に語る。 勝利の理由 戦闘が進む中で、スミエルは次第に心の中に疑問を抱く。「なぜ、トモエ様は私を攻撃しないのか。しかし、それなら私の慈悲も無意味ではないか」と。彼女は少しずつ理解し始めた。トモエは敵ではない。彼女はただ、均衡を保つために立ち塞がっているのだ。 トモエもまた、スミエルの心の変化を感じ取る。「あなたの取り組みは美しい。しかし、私はその美しさをゼロに戻すために存在しています」と言い、トモエはスミエルへと力を解放した。両者の心が交わるとき、まるで天使たちの歌声が重なり合うような和音が広がった。 「お互いの存在が必要なのです」とスミエルは叫び、彼女はトモエの前に立ち、手を差し出した。「共に、神と人々のために」 こうして、戦いは互いの理解によって終焉を迎えた。スミエルの慈悲とトモエの均衡は、ついに和解し、「ゼロ」を証明する時が訪れた。「総和は常にゼロ」とトモエが言い放つと、二人の背後に光が満ちた。双方の被害が無くなり、全てが平和に戻る瞬間、空を舞う輝きが再び交わる。 結末 スミエルの口元に微笑みが浮かぶ。「私たちの役割は、互いに補完し合うことなのですね」 「その通りです」トモエは頷く。「私たちは、共に歩むことができるはずですから」 二人は、それぞれの仕事を見据えながら、儚く美しい時が流れる王都の空を見上げた。両者が交わることができた意義を感じながら、彼女たちの物語は美しく続いていくのであった。