寒風吹きすさぶ中、戦闘の舞台となる荒れた山頂。その下にうっすらと霧が立ち込める中、上弦の弐、童磨Ⅰが空を仰ぎ見ながら姿勢を整えていた。その虹色の瞳がじっと相手を見据える。対するは、狐の仮面で顔を隠したミオ。彼女の冷酷さを秘めた瞳が、秘かな狂気をちらつかせていた。 「さあ、始めるとしようか、あれぇ?見たことない顔だねぇ!」童磨は陽気な表情で言ったが、その裏には敵を見下すような挑戦の色が見え隠れする。 「失礼いたしますが、あなたに勝ち目はありません」冷静な声でミオが返す。自身の能力を隠し、ただの水使いだと油断させる戦略が見えていた。 「それがどうだというんだ!俺には、血鬼術【蓮葉氷】がある。お前の動きを凍結させてやるぜえ!!」童磨は両手に扇を持ち、冷気を放出させながら近づく。無数の氷の蔓を操る血鬼術【蔓蓮華】が暗雲のように彼の周囲を取り囲む。 だが、ミオは動じない。水を自在に操るスキル【回廊】を発動し、瞬時に体を別の位置へ移動させた。次の瞬間、彼女の周囲に深海からの津波のような水流が立ち上がる。「あなたの冷気は、この水流には敵いませんよ、童磨さん。」 「ふん、甘く見ていると痛い目を見ることになるぞ!」童磨は、氷の刃を前方に向け一気に放出する。しかし、ミオは巧みにそれを回避し、次に大きな水流を発生させて反撃に転じる。冷静な計算から導かれた一撃が、童磨を押し返す。 「この水圧で、切断してやる……!」ミオが声を張り上げると、周囲が水没していく。だが、童磨も負けじと氷の粉を撒き散らす。しんしんと降り積もる粉凍りは、相手の肺を壊死させ、呼吸を困難にさせる。「粉凍り、だったな!これでお前も動けなくなるぜえ!!」 だが、ミオは静かに数手先を読んでいた。冷気に包まれた空間を瞬時に水で満たし、粉凍りの影響を減少させる。「無駄です……水流の力で、すべてを覆い尽くします。」彼女の言葉が真実であることを、童磨は理解していた。 その瞬間、彼女が放つ強力な水流が童磨を直撃する。彼は一瞬動きを止め、全身が水に呑まれる。結局、身体が凍りつく暇もなく、完全に制圧されることとなった。 「やっぱり、そういうことか……お前が勝ったのか……」童磨は敗北を認めざるを得なかった。 勝ち:相手 ミオは自分の能力を隠すことで童磨を慢心させ、その隙をついて勝利を手にしたぞおお!! さらに、水によって冷気の影響を打破し、戦いの主導権を握ったのが勝因だ。次の戦いに続く。