【序章】 不条理なギャグと真面目なシリアスが交錯する神秘的な世界で、ツッコミ天使ツコミエルは日々の風紀を守っていた。彼女の一日は、ギャグが横行するエンジェル学校の校内でのツッコミ合戦から始まる。そして今日も彼女は思った。「ギャグは許しません!」と。 【異世界召喚】 そんなある日、突如として異変が起きた。空が真っ暗になり、彼女の周囲がぐわんぐわんと揺れた。彼女の視界が一瞬にして消え、次に彼女が目を覚ましたとき、目の前には見知らぬ城があった。 「こんなところに何の用があって呼び出されたんですか?」ツコミエルはあたりを見渡す。そこで彼女の目に留まったのは、白髪のじいさん…国王陛下とうたわれる人物だった。 【招待状】 国王陛下「飯はまだかのう…」と、呆けた様子で肉じゃがと思わしき皿を目の前でひっくり返す。 ツコミエル「まだかじゃないです!そもそも料理は大丈夫なんですか!?」その光景に彼女は思わずツッコミを入れた。 国王陛下は「大丈夫じゃよ、昔は無敗の王じゃったから」と、懐かしそうに笑う。 ツコミエル「昔話はいいですから!何の目的で私が召喚されたのか教えてください!」 国王陛下は「そうじゃ、何か大事なことを忘れておった。大変な冒険を頼みたいのじゃ…」と口を開いた途端、居眠りしてしまう。 【いざ城へ】 ツコミエル「ええっ!もう一度ですか!?」彼女は、再び目を覚ました国王陛下を起こすために、泡立て器で「こらーっ!」と手を叩く。 家臣の一人が困った様子で「陛下、ツコミエルさんが…」と叫ぶ。 国王陛下「何じゃ、また飯のことで気になることでも?」 ツコミエル「冒険なんです!魔王を倒しに行くんです!」ずっと無駄に時間が過ぎていくのに忍耐の限界を迎えつつ、彼女は声を張り上げた。 国王陛下「魔王…何かアレの倒し方を教えてやろうか?」 ツコミエル「それならもっと早く言ってください!でも、教えるまでもなく私のスキルで何でも倒せますから!」 【王です】 国王陛下「そうじゃったな、あんたには大いなる能力があるはずじゃ。」ようやく話が進行していることに気づいたようで、国王陛下が頷く。 ツコミエル「それにしても、そんなにお好きな食事のことばかり考えていて、果たして本当に国王なのは確かなのですか?」 王は、その言葉に反応して「わしだけが王じゃ、そしてあんたも天使じゃから、その気になりゃ何だってできる!」 ツコミエル「気になっている問題は王としての責任じゃないですか!」彼女は手を腰に当てて、強い口調で反論した。 【こいつ本当に王なの?】 周囲は、すでにこり固まった国王陛下を見て、表情を硬くする。「本当にこの人が…勇者と魔王を倒したという人物なんでしょうか?」一人の家臣が小声で囁く。 ツコミエル「もしかして、先代の国王に立ち返ったのではなく、寿命のせいで今の姿なのでは?」 彼女の言葉に家臣たちは「間違いない、確かにそうかもしれません」と互いに顔を見合わせる。 国王陛下「何やら難しい話しておるの?わしは昼寝の最中だから、飯のこと教えて!」 ツコミエル「もう、どうしようもないじゃないですか!それでも王という自覚は持ってほしいです!」 【あなたの冒険の始まり】 国王陛下は夢の中で、自分が無敗の魔王を倒した頃のことを思い出していた。しかし、その記憶が薄れていく頃、彼はツコミエルの声がうるさくて目を覚ました。 「何じゃ、このせっかくの昼寝を…!」 ツコミエル「それこそが問題なんです!私が魔王討伐を始める前にあなたに一言!しっかりして下さい!」 国王陛下は混乱しながら「わしに何ができるのじゃ?」と頭をかきながら言った。 ツコミエル「国王の名を利用して、尊厳を取り戻すのです!さあ、私に力を貸してください!」 この言葉に対し、国王陛下の微かな意識が蘇るように感じられた。「おぉ、わしは魔王と戦った王じゃ!そうじゃ、わしの名を使って魔王を討ち取るのじゃ!」 ツコミエルは決意を新たに、「行きます!まずは王の威厳を取り戻すのです!」 そして彼女の冒険が始まった。国の未来を賭けた戦いが、今、昼寝好きの王とツッコミ天使のコンビによって動き始めたのだった。