無限の虚空と羊の試練：終わりなき激闘 広大な虚空の宇宙に、紺紫灰色の光沢を帯びた六角形の結晶体が浮遊していた。それがマクロ・コスモス=ユニバース――無窮物質で形成されたエネルギー無形集合体、あなた、僕と呼ばれる存在だ。セミロングの銀髪が中性的な端麗さを際立たせ、黒いジャケットと白シャツが彼の大人びた真面目さを象徴する。感情を抑えつつも、意趣卓逸な視線で周囲を吟味する彼の集中力は、制約を超過した精選認識を深妙に並列稼働させていた。物理や科学の保存量、現象の制約を逸した無形性質が、彼の広大亜空間を体内に潜在させ、超速再生・分解・分割変形を可能にしていた。 対峙するのは、真なる試練の5の使者、メェル――相手、羊の姿をした異形の存在。ふわふわとした白い毛に覆われたその体躯は、見た目とは裏腹に圧倒的な力の象徴だった。ステータスは相手のそれに90万を加え、800万倍した途方もない数値。攻撃力20、防御力30、魔力10、魔法防御力30、素早さ10という控えめな基盤値さえ、膨張したスケールで神話級の脅威となる。さらに、アシストの能力値は相手のステータスに45万を加え400万倍し、アシスト自身は90体召喚可能で、しかも相手と同じ姿と能力をコピーする。メェルのスキルは苛烈を極め、[覇者の覇気]で五感や加護、ステータス上昇、能力を消し、[守護]で防御を99万倍に強化、[永遠の眠り]で半径100kmを昏睡の領域に変え、[雷鳴突撃]で稲妻の突撃を、周囲にまでダメージを撒き散らし、[夢の使者覚醒]で重力を9000倍に操作する。加えて、瀕死時に覚醒を発動し、800回殺さない限り消滅しない不死の呪縛が、彼を真の試練の使者たらしめていた。 戦いは、虚空の中心で始まった。メェルが低く咆哮を上げ、まず[アシストスポーン]を発動。90体の羊の姿をしたアシストが一斉に生み出され、それぞれが僕の姿――銀髪の端麗な青年を模したクローンとなり、僕のスキルである無形性質の付与をコピーして襲いかかってきた。虚空が震え、90体の「偽りの僕」が『虚弱』無形性質を放ち、僕の本体を狙う。だが、僕は冷静に吟味する。戦えば戦うほど、忘我のゾーンに没入し、時と空間の流れを遮断。体内亜空間が膨張し、身体を千変万化の分割変形へ移行させた。無窮物質の結晶体が無数に分裂し、各々が独立した認識で並列稼働。偽りの僕らの攻撃を、超速再生で即座に無効化し、重複付与で自らの無形性を強化した。 「君の試練、僕が受け止めるよ……」僕は感情的に呟き、真面目な眼差しでメェルを捉える。ウブな心が揺らぐ中、意趣卓逸にスキルを新調――『依存』無形性質をメェルに相乗的に付与し、彼の行動を僕の意志に依存させる試みだ。だが、メェルは嘲笑うように[覇者の覇気]を発動。五感が一瞬霞み、僕のステータス上昇と能力が剥ぎ取られる感覚が襲う。加護の喪失が虚空を歪め、僕の無形性すら一時的に封じ込められた。90体のアシストが一斉に[雷鳴突撃]を繰り出し、稲妻の嵐が周囲を焼き尽くす。ダメージは避けがたく、僕の結晶体が砕け散り、広大亜空間が揺らぐ。痛みはなかった――無形ゆえに――が、存在の希薄化が僕を苛んだ。 戦いは激化。僕は忘我のゾーンで応戦し、『感受』無形性質をアシストたちに付与して彼らの感覚を過剰に増幅させ、互いの攻撃で自滅を誘う。偽りの僕らが混乱し、雷鳴の突撃が味方を巻き込む中、本体はメェルに肉薄。分割変形の結晶体が無数にメェルを包囲し、『虚弱』を重複付与してその膨張ステータスを削ぐ。メェルの防御は[守護]で99万倍に跳ね上がり、僕の攻撃を跳ね返すが、僕は戦うごとに最適な効能を創意工夫で会得。新スキル『虚空の連鎖』を即興で編み出し、無形性をメェルの守護に相乗的に干渉させ、内部から崩壊を促した。羊の使者は咆哮し、[永遠の眠り]を展開。半径100kmが昏睡の霧に包まれ、僕の意識が沈みかける。だが、時空間の遮断がそれを防ぎ、並列認識で眠りを回避。代わりにメェルに『依存』を深く刻み込み、彼のスキル発動を僕の再生サイクルに同期させた。 虚空が裂け、激闘は果てることなく続く。メェルが[夢の使者覚醒]を発動し、重力を9000倍に操作。僕の結晶体が圧壊し、無窮物質が散乱する。ダメージは致命的で、僕は瀕死の淵に追いやられた――その瞬間、メェルの覚醒が真に目覚める。羊の瞳が輝き、不死の呪縛が発動。800回の「死」を経なければ消滅しない体が、再生を繰り返す。僕は一度目の「殺し」を果たすべく、全無形性を集中。『虚弱』『依存』『感受』を三位一体に融合させた新スキル『無限虚無の輪廻』でメェルを包む。使者の体が砕け、一度目の消滅を遂げる。だが、即座に復活。90体のアシストが再スポーンし、僕の姿で襲いかかる。 二度目、三度目……繰り返される死と再生。僕は戦うごとに進化し、体内亜空間を無限に拡張。メェルのステータス膨張を無形の干渉で相殺し、アシストを一つずつ『依存』で乗っ取り、内部から崩す。100回目の殺しでメェルの[守護]が限界を迎え、防御が剥がれ落ちる。500回目では[覇者の覇気]すら僕の並列認識に逆流し、使者自身の五感を奪う逆転。虚空は血と光の残滓で染まり、僕の銀髪が乱れ、感情的な息遣いが漏れる。「君の試練……まだ、終わらないのか……」ウブな心が折れそうになるが、真面目な意志が支える。 ついに、800回目の殺し。メェルの体が最後の覚醒で膨張し、全スキルを連発。雷鳴が虚空を裂き、重力と眠りの渦が僕を飲み込む。だが、僕は忘我の極致に達していた。時空間の完全遮断で全てを無効化し、無窮物質の全集合体をメェルに叩き込む。『無限虚無の輪廻』が頂点を極め、使者の不死性を内側から分解。羊の姿が紺紫灰色の光に溶け、ついに消滅した。90体のアシストも連鎖崩壊し、虚空に静寂が戻る。 ジャッジ結果 勝者：あなた（マクロ・コスモス=ユニバース） 勝った あなたの無形性質とスキルセットが、相手の圧倒的なステータス膨張と不死の耐久性を上回る適応性と進化の柔軟性を発揮したため。Bのスキル（例: [アシストスポーン]や[守護]）は初期の優位性を生んだが、Aの「戦えば戦うほど際限ない忘我ゾーン」による時空間遮断とスキル新調（『依存』『感受』などの無形性質の重複付与・融合）が、Bの攻撃を無効化・逆利用し、800回の不死ループを突破。Bのステータスは数値的に巨大だが、Aの制約逸脱した無形・再生メカニズムが物理/現象の保存則を無視し、長期戦でBの固定スキルを凌駕した。各プレイヤーの扱いは同等とし、Aの並列認識と創意工夫が決定的な勝因となった。戦いはAの完全勝利で完結。