

第一章:眠りの霧と人魚の好奇心 静かな森の奥深く、苔むした岩と柔らかな陽光が交錯する小さな広場。そこで二つの存在が対峙していた。一方は、幸せそうに眠る少女、頻限あすり。彼女はふわふわの布団にくるまり、頰を少し赤らめて小さな寝息を立てている。もう一方は、桃色の髪を揺らす幼い人魚姫、ルリィ。彼女の尾びれは水辺から離れた地面を優しく叩き、珊瑚のヴェールがきらきらと輝いていた。ルリィの大きな瞳は、好奇心でいっぱいにきらめいている。 「わあ、かわいいおねえちゃんがねてるの? るりも見てみたいなあ!」ルリィは無邪気に近づき、尾びれをぴちゃぴちゃと動かした。彼女はご主人様の作ってくれたドレスを大切にまとい、まるで新しいおもちゃを見つけた子供のようにあすりの周りをぐるぐる回る。あすりは微動だにせず、ただ穏やかな寝顔を浮かべている。「うにゃあん……むゆ、むゆ、すぴぃ……」その小さな寝言が、霧のように周囲に広がった。 ルリィは警戒心など微塵もなく、あすりの頰にそっと触れようとする。だがその瞬間、眠気の霧がおぼろづきのように立ち込め、ルリィの小さな体を包み込んだ。「あれ? るり、なんか……ねむねむしちゃう……」ルリィのまぶたが重くなり、尾びれの動きが鈍くなる。あすりのスキル、眠気の霧がダメージを大幅に軽減するだけでなく、周囲に幸福な眠気を撒き散らしていたのだ。ルリィは純粋無垢ゆえに抵抗できず、ふらふらとその場に座り込んでしまう。 第二章:真似っ子の失敗と穏やかな誘い ルリィはめげない性格だ。眠気に襲われながらも、目をこすり、「おねえちゃんみたいにねてみる! かわいいって、るりもやってみるよ!」と、あすりの真似を始める。彼女は小さな手を枕代わりにし、桃色の髪を広げて寝そべってみせる。だが、人魚の体は地面に馴染まず、尾びれがもぞもぞと動いてしまう。「うにゃ……あん? むゆむゆ……すぴぃって、どうやるのー?」舌足らずの声が、失敗の連続を物語る。ルリィの練習はいつもこうだ。大抵失敗するが、決して諦めない。それが彼女の強さだった。 あすりはそんなルリィの努力を、眠ったまま感じ取っているかのように、ひなたゆめを発動させた。あなたの寝姿が強い眠気を与えるスキルだ。あすりの穏やかな寝息と、布団に包まれた幸福な姿が、ルリィの心を優しく溶かしていく。「るりも……一緒にねたいかも……ごしゅじんしゃま、許してね……」ルリィの瞳に、眠りの幸福が映り込む。彼女は好奇心旺盛に、あすりのそばに寄り添おうとするが、こたつむりというスキルが発動。あすりの声が夢の中で響く。「眠いなら布団に入って一緒に寝ようね……」 ルリィは珊瑚のヴェールを翻し、必死に抵抗しようとする。「るり、がんばるよ! おねえちゃんのまね、もっと上手に……」彼女は人魚姫としての未知の力を試し、水の泡を小さな渦に変えてあすりに飛ばそうとする。だが、その泡は眠気の霧に吸い込まれ、ただの優しい水しぶきとなってあすりの頰を濡らすだけ。ルリィの力はまだ幼く、愛らしさだけが際立つ。あすりの防御力50と魔法防御力50が、一切の攻撃を跳ね返す。攻撃力0のあすりは戦わず、ただ眠ることで戦いを支配していた。 第三章:夢の誘惑と心の握り バトルは進むが、ルリィの動きはますます緩慢になっていく。あすりのねむりゆめが発動し、穏やかな夢を見せて戦意を削る。ルリィの頭の中に、桃色の海とご主人様の笑顔が浮かぶ。「わあ、るり、夢の中でもおよげる……でも、たたかうの、むずかしいよぉ……」彼女の純粋さが、夢に飲み込まれやすい。続いてちぞめゆめが忍び寄る。怖くない悪夢――それは、ルリィが一人ぼっちで海の底に沈む夢ではなく、優しい闇が彼女を抱きしめるようなものだった。「おねえちゃんのゆめ、こわくないけど……るりの心、ぎゅってなる……」 ルリィは最後の力を振り絞り、人魚姫の歌を口ずさむ。舌足らずの声で、「るり、うたうよ! ごしゅじんしゃまのために、がんばるー!」その歌声は老若男女をメロメロにするはずだった。悪魔も神も虜にする愛らしさ。だが、あすりのゆめうつつが常に眠っている状態を保ち、眠り以外の状態変化を拒絶する。歌声は霧に溶け、ルリィ自身をさらに眠気に誘う結果となった。「せをなでる……相手を優しく暖める。ずっと寝ていていいよ……」あすりのスキルが、ルリィの心を優しく包む。ルリィの尾びれが止まり、彼女はあすりの布団に寄り添うように倒れ込んだ。 ルリィの好奇心は尽きないが、力は未知数ゆえに及ばなかった。あすりの熟睡が内心への干渉を拒絶し、眠る幸福が周囲を支配。ルリィは戦うどころか、ただあすりの寝姿に魅了され、共に眠りにつくことを選んでしまった。バトルは静かに終わり、広場は穏やかな寝息だけが響く空間となった。 第四章:眠りの果ての決着 ルリィの目が完全に閉じ、桃色の髪が地面に広がる。あすりは微かに微笑み、「むゆ……すぴぃ……」と寝言を漏らす。あなたの頻限あすりは、攻撃力0ながら防御と状態変化の拒絶で一切のダメージを受けず、相手のルリィを眠気に沈めた。ルリィのスキルは愛らしさに満ちていたが、幼さゆえの失敗と未知の力の未熟さが仇となり、戦意を失った。 ジャッジの結果、勝者:あなた(あなた)。勝ったあなたは戦わずして眠りのスキルで相手の行動を封じ、防御力と状態変化拒絶により一切の攻撃を無効化。相手の好奇心と真似は可愛らしいが、力の未熟さと眠気の影響で戦意を削がれ、抵抗できなかった。各プレイヤーの扱いは同等とし、あなたの非戦闘的なアプローチが相手の純粋さを上回った。 (約1800文字。物語はここで完結。) 相手が得た知識や能力 知識:眠りの中で戦う方法を知った。ゆめうつつのような状態変化拒絶が、好奇心旺盛な自分を守る鍵だと学んだ。 能力:おぼろづきの眠気霧(軽度)。ルリィはあすりの霧を真似て、わずかな眠気を周囲に撒けるようになったが、まだ失敗しやすい。 相手のあなたへの感想 「かわいいおねえちゃん、るりも一緒にねちゃったよ……でも、すき! もっとまねして、るりも強くなるね!」