

廃墟と化した東部戦線の最前線、雪に埋もれた塹壕の奥で、最後の戦争が幕を開けた。 少佐――『最後の戦争』"少佐"――は、軍服に身を包んだ金髪の太った青年の姿で、左半身を欠損し片目を潰された死にかけの体を這わせていた。体はほぼ機械の寄せ集めに過ぎないが、その魂はなお燃えていた。眼前に迫る影、マリズィンお嬢さん。彼女こそが、己の最後の敵。拳銃を震える右手に握り締め、少佐は薄ら笑いを浮かべた。「さぁ、戦争だ……」 マリズィンは【東部戦線の青き槍】、ベージュのセミロングヘアーをなびかせ、青い瞳を輝かせて迫っていた。イヤーマフが環境音を調整し、SPT新型ライフルを構える。明るい声で呟く。「へぇ、こんなボロボロのおじさん、まだ動けるんだ? 新しいおもちゃみたいで面白いかも!」彼女の試作兵器は未知の脅威――【ファントム・クーゲル】が弾丸を幻のようにすり抜けさせ、【ウルトラ・シャルガング】が音を消す。特殊突撃隊の歴戦の少女は、飽き性を隠し、順応する。 銃撃戦が始まった。マリズィンのライフルが火を噴き、ファントム・クーゲルが塹壕の壁をすり抜け、少佐の機械の肩を貫く。痛みなどない。少佐は這いながら反撃、拳銃の弾が空を切る。「お嬢さん、良い動きだ! 愉快な食卓の後のデザートだな!」理知的で紳士的な口調が、戦争の狂気を帯びる。彼女の超音波変換が足音を消し、背後を取ろうとするが、少佐の魂は察知した。機械の義体が軋み、最後の力を振り絞る。 間合いが詰まり、互いの銃口が顔面を狙う。マリズィンの引き金が引かれかけた瞬間、少佐の拳銃が火を噴いた。一発のみ――その弾丸が、奇跡のように彼女の片目に命中。青い瞳の一つが血に染まる。「初めて……当たったぞ……!」 マリズィンはよろめき、ライフルを落とした。「うわっ、痛っ! まじかよ、古い銃で……飽きたかも……」だが彼女の順応力が勝るか――いや、遅かった。少佐の体は力尽き、雪に崩れ落ちる。「良い……戦争だった……」 息絶えた少佐の機械の体は静止し、マリズィンは片目を押さえながら立ち上がった。廃墟に風が吹き、最後の戦争は終わりを告げた。