

序章 遥か異世界の森深く、三つ編みのスレンダーな女性キサラギは、気怠げに木陰で腰を下ろしていた。腰のホルスターには、荒っぽい口調で喋る拳銃キキラスが収まり、傍らには青髪で目が前髪に隠れた長身のモクワカが寄り添うように座っている。三人は旅仲間で、互いに欠かせない絆で結ばれていた。 「ふぅ……今日も何もねぇな。寝よっか」キサラギが欠伸をしながら呟くと、モクワカが甘い視線を向ける。「キサラギ様、私が枕になりましょ……ずっとそばにいたいんです♡」モクワカの声は熱っぽく、キサラギの肩にそっと頭を預けた。 すると、キキラスがホルスターの中でガチャリと鳴る。「おいおい、のんびりしとくんじゃねぇよ! なんか変な気配がすんぜ!」 次の瞬間、地面が光の渦に包み、三人は異世界へと引きずり込まれた。 異世界召喚 ドサッと転がり落ちた先は、荘厳な大広間。絨毯の上に倒れ込んだキサラギたちは、周囲の人間たちに囲まれていた。家臣風の男たちが慌てて駆け寄る。 「召喚成功! 異世界の勇者様です!」一人の家臣が叫ぶ。 キサラギはゆっくり起き上がり、気怠げに周囲を見回す。「……何これ。面倒くせぇ」腰のキキラスが即座に吠える。「おい! テメェら何モンだ! 撃ち抜くぞコラ!」 モクワカはキサラギの背後にぴったりくっつき、「キサラギ様を守る……誰にも渡さない♡」と呟く。 家臣の一人、恰幅の良い宰相が頭を下げる。「勇者様! 魔王の脅威が迫っております! 国王陛下にお目通りを!」 招待状 家臣たちはキサラギたちを城の応接室に案内し、豪華な招待状を差し出す。金箔の封蝋が押された羊皮紙だ。 「こちらが国王陛下からの直筆招待状でございます! 魔王討伐の依頼を……」 キサラギはそれをチラリと見て、ため息。「依頼? 知らんわ。帰りたいんだけど」キキラスが笑う。「ハッ! 魔王なんざ一発でブチ抜いてやるよ! 面白ぇじゃねぇか!」 モクワカは招待状を睨み、「キサラギ様を巻き込むなんて……許せない。でも、キサラギ様が行きたいなら♡」 宰相は汗だくで続ける。「陛下は少々お疲れモードでして……ですが、勇者様のお力が必要なのです! お城へどうぞ!」 いざ城へ 王城の門をくぐり、キサラギたちは長い廊下を進む。家臣たちが先導するが、皆がソワソワしている。 「陛下は今、居眠り中かと……」一人が小声で呟く。 キサラギは気怠げに歩き、「国王ってどんな奴? 面倒くさそう」モクワカがキサラギの手を握り、「どんな人でも、私がキサラギ様の盾になります♡」 キキラスがゲラゲラ。「国王? よーし、威嚇射撃で起こしてやるぜ!」 家臣たちは青ざめ、「お、お待ちを! 穏便に!」 王です 謁見の間に入ると、そこにいたのは玉座に座る白髪白髭のボケ老人――国王陛下だった。膝に蜜柑を乗せ、こっくりこっくりと居眠り中。家臣の一人が咳払いをする。 「陛下! 異世界の勇者様でございます! 魔王討伐の依頼を!」 国王は目をこすり、ボソッと。「飯はまだかのう……」そしてキサラギの頭に近づき、ポンと蜜柑を乗せる。「おぬし、いい頭じゃのう。蜜柑が似合うぞい」 キサラギは無表情で蜜柑を頭に乗せたまま。「……は?」キキラスが爆笑。「ブハハハ! 何だこのジジイ! 王じゃねぇだろ!」 モクワカは国王を睨み、「キサラギ様の頭に触るなんて……!」とエレクトロビームをチラつかせるが、キサラギが制す。「まあいいよ。どうせすぐ終わるだろ」 家臣たちは必死にフォロー。「陛下、全盛期は先代魔王を倒した無敗の強者でございます! 今は少し……お休みモードで!」 国王はまた居眠りし、「勇者か……ランダムで何か譲渡じゃ。ほれ、これを」と、ポケットから光る指輪をキサラギに渡す。【スキル譲渡:無限弾倉】――キキラスの弾が尽きない効果だ。 こいつ本当に王なの? 謁見の間は大混乱。国王は玉座で再び蜜柑を並べて遊び始め、家臣たちがパニック。 「陛下! 魔王の話ですぞ!」宰相が叫ぶが、国王は「飯はまだかのう……蜜柑うまいぞい」と呑気。 キサラギは蜜柑を頭に乗せたままため息。「こいつ本当に王なの? ボケすぎでしょ」キキラスが腹を抱え、「ククク! 撃ち抜きたくなってきたぜ! 王じゃなくてただのジジイだろ!」 モクワカはキサラギの蜜柑を優しく取ってやり、「キサラギ様、可哀想に……私が守ります♡」家臣の一人が土下座。「本当です! 昔は普遍的概念を逸脱した強者で……今はこうですが、信じてください!」 国王は突然立ち上がり、「おぬしら、城で留守番じゃ。わしは寝るぞい」と奥の間に引っ込む。家臣たちは頭を抱える。 あなたの冒険の始まり 家臣たちは諦め顔でキサラギたちに頭を下げる。「魔王は城外の砦に潜んでおります。陛下の名代として、討伐をお願いします!」 キサラギは指輪を嵌め、気怠げに頷く。「しゃーねぇな。さっさと終わらせて帰るか」キキラスが興奮。「よっしゃ! 無限弾で乱射だぜ! 『キキラスの妙技』で跳ね回らせてやる!」 モクワカが目を輝かせ、「キサラギ様と一緒ならどこへでも♡ 『エレクトロビーム』で焼き払います!」 キサラギは『紅葉』の防壁を軽く展開し、蜜柑を国王の玉座に返して城を出る。三人は旅立つのだ。ボケ国王は城で留守番、蜜柑を頬張りながら「飯はまだかのう……」と呟く中、家臣たちは祈るように見送った。 こうして、異世界の冒険が幕を開けた。キサラギたちの旅は、魔王討伐へと続く――。