

序章 遥か彼方の青い空の下、黒い角とトゲトゲしい尻尾を持つ青髪の少女、【冒険者】BlueKnightは、革鎧に身を包み、フードを深く被って旅を続けていた。赤い瞳に善良な光を宿し、業物の剣を腰に下げ、ポーチを揺らしながら未知の土地を探訪する天性の冒険者。彼女は王族の血を引く龍の末裔であり、宮廷の教育と旅の経験から得た探究心とお人好しぶりで、助けを必要とする者には必ず手を差し伸べる。 「ふふ、今日もいい天気ね。次はどんな出会いが待ってるかしら?」 そんな彼女の日常は、ある日突然、輝く魔法陣に飲み込まれて一変した。 異世界召喚 眩い光が視界を覆い、BlueKnightは地面に転がり落ちた。見慣れぬ石畳の広場、周囲には中世風の家屋が並び、人々が驚きの声を上げている。彼女は素早く立ち上がり、尻尾をピンと立てて周囲を警戒した。 「ここは……私の世界じゃないわね。召喚? 誰かの呼び声かしら?」 そこへ、豪華なローブを着た家臣たちが駆け寄ってきた。リーダー格の太った男が息を切らして叫ぶ。 「勇者様! ついに来られたのですね! 我が国の国王陛下が、魔王の脅威から救うべく召喚いたしました!」 BlueKnightは善良に微笑み、フードを少しずらして赤い瞳を覗かせる。 「私? 勇者? ふふ、勘違いかもしれないけど、困ってるなら力になるわ。まずは状況を教えてちょうだい。」 家臣たちは感激し、彼女を王城へ案内しようとするが――その時、遠くからぼんやりした声が。 「飯はまだかのう……」 招待状 家臣たちは慌ててBlueKnightを王城の門前まで連れて行き、豪奢な羊皮紙の招待状を差し出した。そこには「魔王討伐の勇者へ。王城にて謁見を」と大仰に書かれている。 「勇者様、どうかお城へ! 国王陛下がお待ちです!」 BlueKnightは招待状をポーチにしまい、探究心をくすぐられて頷く。 「わかったわ。国王陛下に会って、魔王の話を聞くのね。楽しみだわ!」 家臣の一人が小声で呟く。「陛下、最近ボケてて……依頼を忘れちゃってるんですよ。なんとか思い出してもらわないと……」 BlueKnightは気づかぬふりでお茶目に笑い、城門をくぐった。 いざ城へ 王城は荘厳で、絨毯が敷き詰められた廊下を進むBlueKnight。家臣たちは必死に国王の元へ誘導するが、途中で老臣がため息をつく。 「陛下、全盛期は先代魔王を勇者と一緒に倒した無敗の強者だったのに、今じゃ……」 BlueKnightは尻尾を揺らし、好奇心たっぷりに尋ねる。 「無敗の強者? どんな人なの?」 「普遍的概念を逸脱した、伝説の……まあ、行けばわかります!」 ようやく謁見の間へ。玉座に座るのは、白髪白髭のボケた老人――国王陛下だった。居眠り中だ。 王です 「陛下! 勇者様をお連れしましたぞ! 魔王討伐の依頼を!」 家臣の叫びに、国王陛下は目をこすりながらゆっくり起き上がる。 「むにゃ……飯はまだかのう……勇者? 誰じゃて?」 BlueKnightは優しく近づき、自己紹介する。 「私はBlueKnight。あなたの召喚に応じて参りました。魔王のことでお力になれることがあれば……」 国王はぼんやり彼女の頭を見上げ、突然ニタリと笑う。そして、ランダムに生成した輝く指輪を取り出し、彼女の頭にポンと蜜柑を置いた。 「ほれ、勇者じゃな。わしのスキルじゃ、ランダム譲渡じゃ。こやつは……『無限ライチの指輪』じゃ。食うたびにライチが出るぞい。ふぁ~、居眠りじゃ……Zzz」 蜜柑が頭からコロコロ転がり、BlueKnightはぽかんとする。家臣たちは頭を抱え、必死にフォロー。 「み、陛下! 魔王の依頼を! お願いします!」 国王はすでにまた寝息を立てている。城で留守番モード全開だ。 こいつ本当に王なの? BlueKnightは蜜柑を拾い、呆れつつもお茶目に笑う。 「ふふ、本当に王様なの? 全盛期はすごかったみたいだけど……今は人畜無害ね。ライチの指輪、面白いわ。ありがとう、陛下!」 家臣たちは青ざめ、こっそり耳打ち。 「本当です! 陛下は昔、魔王を一撃で倒したんですよ! でも今はボケてて……魔王が復活したんです。復讐の軍勢が迫ってます! 勇者様、どうか討伐を!」 国王が寝言。「飯……ライチ飯じゃ……」 BlueKnightは他人を庇いがちなお人好し。丈夫な体を張って頷く。 「わかったわ。魔王討伐、引き受ける! でも陛下、起きて見送ってちょうだい?」 家臣「無理です……留守番でお願いします!」 ギャグのような謁見に、BlueKnightは料理上手な一面でポーチからおにぎりを出して国王に渡す。「これ食べて、元気出してね!」 あなたの冒険の始まり こうしてBlueKnightの異世界冒険が始まった。国王は城で蜜柑頭の勇者を思い出しつつ居眠り、家臣たちは依頼成功を祈る。彼女は魔法剣を生成し、龍気を尻尾に纏わせ、魔王の城へ向かう。 「よし、まずは下調べよ。ドラゴンテイルで道を切り開くわ! ふふ、ライチもいいおやつね♪」 魔王の影が迫る中、善良な少女の旅は、意外としたたかな笑みと共に続くのだった。国王の寝言「飯はまだかのう……」が、遠くに響いた。