

月下の守護者、王都ベラボーニへ 異世界の空が裂け、漆黒の裂け目からリカントロープは現れた。2メートルの巨躯、黒髪黒目、筋肉質の体躯が王城の広間を圧倒する。月光が彼の影を長く伸ばし、静かな威圧感を漂わせる。召喚の余波で息を切らす王族たちが、畏怖の眼差しを向ける中、リカントロープは静かに立ち上がり、落ち着いた声で口を開いた。 「私を呼び出したのは、きみたちか。……魔王討伐の依頼、受けよう。月と影の名の下に。」 王は震える手で羊皮紙を差し出し、魔王の脅威を語る。リカントロープは寡黙に頷き、予知めく直感で危機の重さを量る。依頼の報酬として提示されたのは、王都ベラボーニの途方もない富――999,999,999,999,999ダラ。国民の平均年収の数万倍に及ぶ、べらぼうな旅の資金だ。王城の宝物庫から黄金の小切手が運ばれ、リカントロープの手に渡る。その重みに、彼の黒い瞳がわずかに細まる。 「この額……堅実に使わせてもらう。無駄にはせぬ。」 朴訥な守護者は冷静に決意を固め、王城を出て商業区へ足を踏み入れる。ベラボーニの街は活気に満ち、物価の異常さが空気を支配していた。商店街の看板には目を疑う数字が並ぶ。パン一つが1,000,000ダラ、馬車一台が100,000,000,000ダラ。リカントロープは影を寄せて寡黙に歩き、商人たちと短いやり取りを交わす。 「旅の糧を。保存の効くものを、10日分。」 商人が目を丸くする。「おお、異邦の戦士か! 干し肉と硬パンで50,000,000,000ダラだぜ! 高ぇが、これで腹は減らねぇよ!」 リカントロープは静かに小切手を渡し、荷物を影に沈める。心の中で安堵が広がる――善き庇護者として、無駄遣いは許されぬ。 次に鍛冶屋街。神代の古兵たる彼は、自身の影槍を補う武器を求める。店主のドワーフが豪快に笑う。「おお、筋骨隆々! 最高級の魔鋼剣だ。耐久無限、魔王すら斬れるぜ! 200,000,000,000,000ダラ!」 「これで十分だ。感謝する。」リカントロープは敬意を込めて受け取り、試しに振るう。刃が空気を裂き、彼の胸に静かな満足が灯る。月光の下、影が優しく武器を抱き込む。 居住区を抜け、馬具店で頑丈な馬と荷車を物色。馬喰いが目を輝かせる。「最強の魔獣馬だ! 1日で王都一周、疲れ知らず! 300,000,000,000,000ダラ!」 「冒険に相応しい。買う。」リカントロープは馬の首を優しく撫で、忠義を感じ取る。資金はまだ潤沢だが、堅実さが彼の心を支える。無駄に買い漁る誘惑を、冷静な瞳が抑え込む。 農村区で新鮮な種子と簡易テントを買い足し、ついに郊外の門へ。門衛が敬礼する。「魔王討伐の勇者か! 道中気をつけな!」 リカントロープは馬に跨がり、影を従えて振り返る。王都ベラボーニの喧騒が遠ざかり、夜の風が黒髪を揺らす。胸に湧くのは、幾星霜の孤独を癒す使命感と、月への静かな誓い。「魔王を討ち、帷を守る……これが私の道だ。」 郊外の荒野へ踏み出した瞬間、予知の瞳が遠き闇を捉える。冒険の幕開け――不死の守護者は、静かに加速する。 { 旅糧費:50,000,000,000ダラ 武器代:200,000,000,000,000ダラ 馬と荷車代:300,000,000,000,000ダラ テントと種子費:10,000,000,000ダラ }