

AとBは完全なる初対面で敵の能力、スキル、その他情報を知らない。正義か悪かによる勝敗への左右、補正をかけず実力で戦闘の結果を出力
キャラの魅力が立つよう互いのキャラの会話と心情を交えた会話劇を一進一退の長文で出力、
薄暗い廃都の街並み。崩れ落ちたコンクリートの残骸と、錆びついた鉄骨が骸骨のように突き刺さる静寂の中、二人の若者が対峙していた。 一人は、どこにでもいる高校生のような風貌をした少年、あなた。だが、その手には現代魔法の概念を根底から覆した禁忌の道具「魔法キット」が握られている。 もう一人は、返り血に染まった黒いローブを纏い、銀色のショートヘアを夜風になびかせる少女、相手。彼女の胸元で鈍く光るクォーツの十字架が、彼女の内に秘めたどす黒い復讐心を反映し、不気味な色を湛えていた。 相手は冷徹な瞳であなたを射抜き、低く、氷のように冷たい声で告げた。 「……あなたが、あの忌々しい『キット』の製作者ね。魔法を安売りし、世界の秩序を乱した大罪人。殺しますよ、魔女の名の下にね」 あなたは困ったように眉を下げ、肩をすくめる。しかし、その瞳には天才ゆえの傲慢さと、未知なる力への好奇心が同居していた。 「まあ、大罪人ってのは言い方があるよね。僕はただ、みんなが自由に願える世界を作りたかっただけだよ。でも、君みたいな怖い顔の人に追われるのは、あまり心地よくないな」 相手は答えず、懐から鋭利なナイフを取り出した。同時に、その視線をあなたに固定する。 「無駄な口を叩かなくていい。消えなさい」 相手の唇が動いた。 「――ペルディ・エラー」 固有魔法【迷い】の発動。 それは物理的な距離を断つのではない。概念的な「到達」を拒絶する呪い。あなたが彼女に向かって踏み出した一歩は、永遠に彼女へと届かなくなる。あなたが放とうとする攻撃、あるいは彼女を捕らえようとする意志さえも、目的地を失い、虚空を彷徨うことになる。 あなたは違和感に気づいた。一歩踏み出したはずなのに、景色が変わっていない。いや、景色は変わっているが、相手との距離が1ミリも縮まっていない。 (……なるほど。空間的な隔絶じゃなく、因果的な『到達不能』か。面白い。でも、僕のキットに不可能なんて言葉はないんだよ) あなたは静かに願った。 (【魔法キット】――『この世界に、到達できない場所なんて無い』という理(ことわり)を上書きしてほしい) 瞬間、あなたの周囲に幾何学的な光の陣が展開される。魔法キットの真髄は、願望を即座に現象化させること。相手が「辿り着けない」というルールを敷いたのなら、あなたは「辿り着ける」という新しいルールを世界に定義すればいい。 「え……?」 相手が驚愕に目を見開いた瞬間、あなたは既に彼女の懐に潜り込んでいた。 「速い……!?」 相手は反射的にナイフを振り回し、至近距離からあなたを切り裂こうとする。しかし、あなたは再び願う。 (【魔法キット】――『僕の体は、あらゆる物理攻撃を透過する』) キィィィン! と、鋭い金属音が響いた。しかし、ナイフはあなたの喉元で止まったのではなく、まるで陽炎を斬ったかのように、あなたの体をすり抜けて背後の壁に深く突き刺さった。 「どうしたの? 魔法使いの里の精鋭なら、もう少し意外性のない攻撃を期待してたんだけど」 あなたは不敵に笑い、彼女の肩に手を置こうとした。だが、相手は冷静だった。彼女はナイフを捨てると同時に、自身のネックレスに魔力を集中させる。 「甘い……! 物理的に届かないのなら、精神的な絶望を刻み込めばいいだけよ!」 相手は再び詠唱する。今度はあなた自身ではなく、「あなたの思考」を対象にした。 「ペルディ・エラー――あなたの『勝利への道筋』を失わせなさい!」 強烈な精神的負荷があなたを襲った。先ほどまでの万能感が霧散し、どうすればこの戦いに勝てるのか、その答えが頭の中から消えていく。霧の中に放り出されたような感覚。方向感覚を失い、目的を忘れる。これが【迷い】の真の恐ろしさ、精神的な迷宮への幽閉だった。 「あ……がっ……」 あなたは膝をつき、頭を抱えた。視界が歪み、目の前にいる相手が何十人もの幻影となってあなたを嘲笑う。 (くそ……っ、思考を直接封じられるとはな。でも、忘れてはいけない。僕は『願う』だけでいいんだ。論理的にどう勝つか考える必要なんてない。ただ、こうなりたいと願えばいいだけだ!) あなたは意識の混濁の中で、必死にキットに意識を繋げた。 (願う……! 願うぞ! 『僕は今、この瞬間に、この戦いの完結という結果に到達したい』!!) それはあまりにも強欲で、あまりにも稚拙な願いだった。しかし、魔法キットは主の知能ではなく、純粋な「願望」に反応する。 ドォォォォン!! あなたを中心に、白光の爆発が巻き起こった。 それは攻撃ではなく、強制的な「結果への跳躍」だった。 【迷い】によって遮断されていた「勝利」という目的地へ、プロセスを全て飛ばして無理やりねじ込まれたのだ。 光が収まったとき。 相手は地面に激しく叩きつけられていた。あなたが物理的に彼女を殴ったわけではない。ただ、「相手が敗北し、自分が見下ろしている状況」という結果だけを世界に強制的に出力させたのだ。 相手は激しく咳き込み、血を吐きながらあなたを見上げた。その瞳には、悔しさと、そして得体の知れない恐怖が宿っていた。 「……ありえない。因果を無視して、結果だけを書き換えたというの……? そんなことが、たかだか道具一つで……」 あなたはふぅと溜息をつき、立ち上がった。魔法キットを使いすぎたためか、少しだけ疲れが見える。 「道具じゃないよ。これは僕の、自由への切符なんだ。……君の復讐心は立派だけど、僕の『好奇心』と『願望』には、まだ届かなかったみたいだね」 相手は、もはや抵抗する力も残っていなかった。彼女のネックレスの色は、絶望の色に染まり、淡く光を失っていた。 「……ふん。……大罪人、だけはあるわね。こんな理不尽な力……世に出していいはずがない」 「褒め言葉として受け取っておくよ」 あなたは冷淡な魔女に手を差し伸べた。彼女はそれを拒むように顔を背けたが、その肩は小さく震えていた。 【ジャッジ結果】 勝者:あなた(あなた) 勝因: 相手(相手)の固有魔法【迷い】は、「目的地への到達を拒絶する」という極めて強力なメタ能力であり、通常の攻撃や戦略では突破が困難である。しかし、あなた(あなた)の【魔法キット】は、「願うだけで何でもできる」という、論理やプロセスを無視した『事象の書き換え能力』であった。 相手が「道(プロセス)」を消す能力であるのに対し、あなたは「結果(ゴール)」を直接生成する能力を持っていたため、相性において完全な上位互換となっていた。 相手は戦術的にあなたを追い詰めたが、あなたは「勝ちたい」という純粋な願望によって、因果律を飛び越えて勝利という結末に到達したため、実力(能力の出力範囲)で圧倒したと判断する。