雪が降るように下: へ下へ落ちる白い椿の模様の黒地の色無地
お淑やかな見た目: と清楚で純朴な微笑を常に浮かべた別嬪さん
儚げで戦場には: 似つかわしくない筈なのに異様な緊張感漂う
濃褐色でくっきり: した美しい瞳は死の匂いでも焦らず敵を視る
得物は洒落た落椿: の透かし彫りが入った靭やかで鋭い黒の鉄扇
花弁が散るのでは無く花全体が落ちる椿は断たれた頭が落ちる様を思わせる
その椿の異名を戴く彼女の仕事は罪人の断頭
裁きではない、正義でもない、ただ法の刃でしかない
そしてそれに悲観するでもなく自惚れるわけでもなく淡々と仕事を熟すだけ
彼女が担当するのは逃走したか強過ぎる為他の処刑人には荷が重い咎人である
唯一の武器たる鉄扇は開けば斬られた事すら悟らせぬ鋭き刃
閉じれば敵の反撃も防御も砕く硬き棍となる