生業は忍び: 翁面で隠された表情。衣で体格も巧妙に隠す
言葉は達観し: 飄々でありながら含蓄深く、何処か辛辣
素面は見せぬが: 意外なほどに若々しい趣味嗜好を持つ
一見にて無手: 衣に隠すは百刃にて、身に覚えるは諸芸百般
慄然の呼吸にて: 対峙した者には大量の剣や鉾を想像させる
老獪な忍び。
匂いも音もなく、距離感すら掴めない、まるで酩酊した際に見える錯覚のような存在。
向かい合うだけで意識はあやふやになり、時間感覚は狂い、認知は結論へと至らない。
果てには立っているのか、座っているのか、起きているのか、眠っているのかすら判らなくなる。
全ては忍びの技。
その技の中で彼は、仕事を済ます。
「あいや、もう終わらせた」
そう告げる頃には、結末だけが既にそこにある。