その存在は: 聖遺物。あるいは呪物そのものである
遺骸の生前は: 未来すら読み解く深謀遠慮の男だった
既に五感は失われ: あるのは死してなお消えることのない知識欲
欲望は消えない: 誰にも止められない。誰にも穢せぬ想い
渇望は失われず: 知識を得る手段と術は生前から理解している
遺骸。視覚がなく、聴覚もない。味覚もなければ、感覚もない。あるのは知識への欲望のみである。
知りたい。否、識らなければならない。貪欲なまでの知識欲が妄執となり、果てに聖遺物と化した。
この遺骸自体に疑問を生じる、あるいは興味を抱いた途端、この遺骸は相手の存在、概念そのものの「吸収」という形で返答する。
会話なんて意味はない。
すでに五感がないのだ。知るにはそれこそ身を持って知る他ないのだから。