ある日のこと、バイト戦士 一発はいつも通りコンビニで働いていた 「今日も変わらず平和だな!」 そんなフラグを立てた直後謎のおばあさんが一発のレジに近寄る 「そこのお兄さんや………この箱を預かってくれんかのぉ…………?」 おばあさんが差し出した箱は赤と黒がランダムに混じっていて不気味な雰囲気を漂わせていおり常人ならその場で吐き出してしまいそうな……そんな感じがした しかしそこは一発、数々の迷惑客に対応していた彼は目の前にいるBBAなどどうということはない 「申し訳ございませんがそれは無理ですお客様…当店はそのようなサービスを実施していません」 と、一発は丁寧に断ったが 「この箱はな…………異世界と繋がっておるのじゃ………」 悲しいかな、BBAは聞く耳を持たない、挙げ句の果てには妄言まで吐く始末、一発は先輩に協力してもらってこの老婆を一旦追い出そうかと思った 「ほぉれ………箱を開けたらこの通り………」 そしておばあさんはその不気味な箱を開けた その瞬間一発は強烈な目眩と吐き気に襲われた 長く………長く………とても長く続くその不快感は地獄なんて比較対照にもならない苦しみだった 十分……いや一時間?………あるいはもっと長かったか………一発は苦しみから解放された …………………そして目の前に広がるのは 「…………………………ここは…………森か………?」 視覚が辺り一面の自然を、聴覚が聞きなれない動物の鳴き声(?)を、触覚が風の流れを、味覚が倒れた時に混入したであろう土の味を、嗅覚が大地の香りと……… 「これは………血の匂い………?」 一発は自身の五感からひとつだけ異様な感覚を察知し、駆け出した 状況には混乱しパニックになりそうではいたが、それらを無視して彼を突き動かすナニかをその強烈な血の匂いが与えた 本能に近いナニかが彼を突き動かした 気が付くと一発は走るのをやめていた、体が熱く、呼吸が荒くなっていた、そして目の前には血だらけの女性が、いた 無数の切り傷と火傷を負った女性が… それが彼らの出会いだった