※【見習い騎士ver】とは異なり、冒険者にならず、お姫様として成長したIFの姿 ↓ベースの見習い騎士ver https://ai-battle.alphabrend.com/battle/edf97930-47f1-48c2-a291-11f192bb0349 名前:ルビィ・コーラルハート 「わたしはジュエルキングダム第二王女、ルビィ・コーラルハートと申します」 ■パーソナル 性別:女性 年齢:15 身長:156cm 職業:王女 誕生日:大洋の月・24日 髪色:コーラルピンク 髪型:上品なさらさらロングヘア 眼の色:ルビーレッド ■元ネタとなった生物 赤珊瑚 ▲性格 照れ屋・優しい・善良・素直 ▼設定 一人称:わたし 二人称:あなた 癖 :会話においてオノマトペをよく使う。そのせいで見た目以上に幼い印象を受ける。 ★背景設定 ルビィが冒険者にならず、国を護る姫騎士としての未来を選んだルート分岐です。 ルビィ・コーラルハートはジュエルキングダムの第二王女として生を受けました。ケーキが大好きな可愛らしい性格で、皆から愛されながら、のびのびと育ちました。 ルビィはそれはそれはとても美しく、とても可愛らしく育ちました。それはまるで、可憐な純粋無垢なお姫様として、童話か絵本の世界から飛び出してきたかのようでした。 そんなルビィの美しさは、千里先の大国にまで噂が届くほどであり、なんとか彼女を手に入れようとする貴族たちからは山ほど婚姻の申し出が届いていました。 そして、彼女が生まれ育ったジュエルキングダムという国は豊かな自然と、豊富な地下資源に恵まれた小国です。 小国とはいいつつも、とても裕福な国であるが、その一番の理由は宝石の産出量がとてつもなく多いことにあります。どれくらい多いのかと言えば、その辺の石ころですら、何かしらの宝石の原石であるという程なのでエグいです。 まあ、ですが小国がそんなとんでもないものを持っていたら、大国としては無視ができません。表面上は友好的ですが、狸爺どもは虎視眈々とジュエルキングダムを狙っています。具体的に言えば、上記の婚姻も関係を持ちたいがためです。勿論、美しい姫をモノにしたいという願望自体に嘘偽りはないです。 ただ本来であれば、ルビィは冒険者として行方をくらませてしまうので、鬱着状態のまま何事もなく時が過ぎるはずなのですが、この世界線ではとある出来事が起きてしまうのです。後述します。 ルビィはパレードのときに出会った、とある国の王国騎士団長から槍術の手ほどきを受け、強く美しく成長していました。そして、もっと強くなるために、15歳の誕生日のあと、国を出て冒険者になろうと思っていました。 ですが、彼女が12歳の頃にある事件が起こりました。 それは、他国からの侵攻です。 ジュエルキングダムの宝石と、美しい姫君であるルビィを手に入れようと画策した愚かな国が出てきたのです。 侵攻は決して大規模なものではなく、防衛にこそ成功しましたが、幼いルビィには衝撃的でした。いずれ、この国は乗っ取られてしまう。そう、彼女は思いました。 ・・・・・・・ そう、思ってしまった。 悩んだ結果、幼いながらノブレスオブリージュを体現するかのように気高い彼女は決意しました。 「わたしが、この素晴らしい国を護るんだ」と。 こうして、彼女は冒険者になる夢を捨て、愛する国を護るための騎士となることを誓ったのです。 ★バックストーリー 美しい丘陵と、穏やかな海に面した小国、ジュエルキングダム。そこにはかつて、冒険者を目指した少女がいた。 王国の王女であるコーラルピンクの御髪が美しい少女は、齢11の頃に他国の騎士団長と運命的に出逢った。女性ながらにして、3メートルはあるだろう巨大な槍を振るうその騎士団長は、「強くなりたい」とルベライトのように紅い瞳を煌かせながら宣う少女の覚悟を尊重し、彼女を弟子と認めることになった。そうして、最高の師匠を得た少女ルビィは見習いの騎士として、槍の道に進むこととなったのだ。 其れは敵を屠るための非情なる槍ではなく、大切な人々を護るための守護の槍。その根底には守護者たる、誉れ高き騎士としての気高き精神が宿っている。彼女は冒険者として経験を積み、やがて世界にその名を轟かせることになるだろう。 ・・ ――本来であれば、そのようになるはずだった。 しかし、世界とは不思議なもので、ほんのひとつ、僅かなボタンの掛け違いひとつで、全く異なる未来へ進んでいくことになるのだ。 本来であれば歩むはずだった冒険者の道。その道を、この世界線の彼女は蹴った。愛する国を、愛する民を、愛する家族を護るためにその槍を振るう。 彼女の名は、ルビィ・コーラルハート。ジュエルキングダムの第二王女にして、王国最強の姫騎士である――。 ■■■ ここはジュエルキングダム。城壁のように切り立った丘や崖と、恵みをもたらす穏やかな海に囲まれた、平和な小さな国である。 ルビィ・コーラルハートはこの国の第二王女として生を受け、臣民からは『ケーキ姫』と呼ばれ愛されているお姫様である。 国一番……いや、世界でも有数の美貌を持ち、品行方正な性格で誰に対しても平等に接し、万物を慈しむ穏やかで善良な心を持つ少女は、まさに絵に描いたような理想の王女様であった。 「お呼びでしょうか、お父様」 コツコツと、真新しいヒールの音を立てながら父――、国王であるクロム・コーラルハートの前に可憐な少女が訪れる。淡雪のように白く、きめ細やかく瑞々しい肌に対して、深紅の宝石のような紅い瞳がコントラストとなって、稚げでありながらも優れたその美しさを引き立てている。コーラルピンクの珍しい髪色をした、絹糸のようにさらさらとした美しい御髪が、窓から吹き付ける風に煽られてふわりと舞った。 「ルビィ。すまないね、急に呼び出してしまって」 「いえ、構いません。神聖魔法の修練も一段落しましたので、丁度休憩しようと思ったところでした」 彼女はそう言って、ニッコリと父王に向けて微笑んだ。民からは『微笑みの天使』と称される愛くるしい無垢な笑顔であり、父王クロムもその屈託のない笑顔を見るのが好きであった。 ――だからこそ。これから伝えねばならないことを考えると、心苦しく思う。 「ふふ、いつも頑張っていて僕らも鼻が高いよ。……さて、手短に済まそう。隣国のベーヤ連邦。そこの内情は知っているね?」 「ええ、勿論です」とルビィの形の良い桃色の唇から、感情のこもった言の葉が続けて紡がれる。 「3年前……、我が国に対して不法な侵攻を仕掛けてきた挙げ句、連邦に隣接する小さな発掘場を占拠している非道い国です。……忘れるわけがありません、決して」 その口ぶりから、いくら温厚な彼女でも怒りを抑えきれない様子が見て取れる。それもそのはず、実際に侵略の場に彼女は居合わせていたのだから。 ■■■ 3年前、件の発掘場近くの森で騎士団長と野外訓練をしていたところ、何やら発掘場の方が騒がしくなってきたことに気づいた。不審に思い、近寄ってみれば、明らかに様子がおかしい。喧騒の声と、煙と、――ツンと鼻につく血の匂い。急いで発掘場に辿り着いてみれば、そこにあったのはまさに地獄絵図と言える光景であった。連邦の旗を掲げた兵士たちが発掘場の坑夫たちに対し、攻撃を仕掛け一方的に虐殺をしていたのだ。 愛する民を殺された怒りで、思わずルビィは頭に血がのぼる。そして、そのまま飛び出そうとするが、初めて見る人の死に足がすくんでしまった。なんとか震える足に鞭打ち、足に力を込める。が、それよりも、誰よりも早く動いたのが隣にいた銀の髪を持った騎士団長であった。 ルビィが気付いた頃には、既に団長はその健脚を以て兵士たちの前へと躍り出ていた。「師匠(マスター)!?」と叫ぶ少女の声が後方から聞こえるが、蒼銀の騎士は振り返ることすらしない。 「貴様等ァーーーッ!何をしているッッッ!!」 急な乱入者に対し、とても驚いた様子で兵士たちは団長の方を見やるが、その瞬間にはすべてが終わっていた。 「――カプリオールッ!」 彼女は巨槍【ミューズ】から放たれる必殺の妙技を以てして、凄まじい勢いで暴徒を鎮圧する。神速の銀閃が大地を抉り、宝石の原石を砕きながら、文字通り兵士たちを紙切れのように吹き飛ばしていく。雑兵に過ぎない兵士たちは自分に何が起こったのかも知り得ぬまま、気を失い倒れ伏していく。 戦闘自体は一瞬で終わった。圧倒的な力の差と、敵兵が少人数であったことも幸いし、真の意味で秒殺であった。だが、もうすでに手遅れだった。連邦の兵士たちは容赦なく、坑夫たちを一人残らず殺害していた。おそらく、目的はこの発掘場だったのだろう。占領の邪魔になる坑夫たちは目障りであったため、真っ先に始末されてしまったのだ。 「くっ……!このような……ッ!このような外道な行いを平然と――!!彼奴らは人に非ず!!」 銀の髪を振乱しながら義憤に燃えて慟哭する団長に対し、ルビィは犠牲となってしまった坑夫たちに、静かに涙しながら弔っていた。 その後、侵略者側であったはずの連邦が、自分たちこそが真の被害者であると風潮し、姑息に立ち回った結果、小国であるジュエルキングダムは圧力に屈しざるを得ない状況に追い込まれてしまった。仕方がなかったとはいえ、他国の騎士……しかも王国騎士団長が事件に関わっていると知られてしまえば、外交上大きな問題となってしまう。争いの火種を避けるため、賠償金として発掘場を泣く泣く差し出すことになってしまったのである。 ■■■ 「あの時、わたしは無力でした。師匠(マスター)にもご負担をかけてしまいましたから……」 「――ツライことを思い出させてしまってすまないね。だが、これから話すことに大きく関わることなんだ。……覚悟して聞いてほしい」 ごくりと、ルビィの喉がなる。 「連邦が、提案……いや。もはや強要だね。我が国に強要してきたんだ。ルビィとあちらの皇子を婚姻させ、ジュエルキングダムは連邦の傘下に加われと。さもなくば、3年前の報いを受けてもらうとね」 「――そんなっ!そもそもアレは向こうの侵略行為でしたのにっ!!」 あまりにも、おぞましい提案だった。従わない者には武力の行使を厭わない連邦らしいやり口だ。そもそも、ベーヤ連邦の現皇帝は70過ぎの老齢で、婚姻していない唯一の皇子の年齢は40代後半であったはずだ。一周りどころか二周り、下手したら三周りも歳の離れた男に嫁ぐなど、考えたくもない。 「ああ、だけど奴らの中では、こちらが侵略をしたという認識らしい。まったく、嫌になる。国を滅ぼされたくなければ、手塩にかけて育てた愛娘を寄越せ、などとね」 「……」 「ルビィ。僕はこの提案に乗らないつもりだ」 「えっ!?でも、それでは……!」 「そう、戦争……になるだろうね。でも、今回の提案はあまりにも莫迦げている。舐めているんだ、この国をね」 その言葉に、ルビィは何も言えなかった。望まない結婚は嫌だ。でも、いつかは王族の務めとして、政略結婚の駒となる覚悟はしていた。だが、父王は決して娘を政略結婚の駒として扱うことはなく、むしろ「ルビィの好きになった人と結婚しなさい」と自由恋愛を推奨していた。そんな父が、断る前提とはいえ提案があったことを彼女に伝えたということは、きっと彼も迷ったのだろう。国か、娘か。その重さを天秤にかけて。しかし、彼は娘の幸せを優先した。おそらく、王としては失格だろう。だが、人間として、一人の父親としては正解の行動を取ったのである。 「お、お父様……!それでしたらわたしが、わたしができることであれば……」 ルビィはか細い声で言葉を紡ぐ。父王は次の言葉を聞きたくないとでも言うように「やめよ」と言い放つ。ルビィは一瞬気圧されたが、挫けなかった。国を、民を、そして愛する家族を想う気持ち。それを込めて大きな声で宣言した。 「わたし……、わたしがっ!親善試合で優勝して考えを改めさせますっ!」 「だめだ!望まない結婚など絶対に……は?今なんて?」 「え、えと。親善試合で優勝しますっ!」 「……??? えっ、なんて??????」 ◆◆◆ 要するに、ルビィの考えはこうだった。 ①他国と親睦を深めるという体で、親善試合を開催する。ベーヤ連邦は勿論、様々な国家から精鋭を招集して試合を行う。 ②その親善試合で姫であるルビィが優勝することで、ベーヤ連邦よりも格上であることを見せつける。また、連邦以外の国と親睦を深めて、有事の際に援軍を要請できるように取り付ける。 ③一騎当千の王女に三流皇子は相応しくないと、格の違いを思い知らせること。 ざっくり言えば、このような内容であった。父王は妙案であるとは思った。だが、そもそも優勝を前提とした突拍子もない提案である。普通ならば、却下すべきであるが……。ルビィの目は真剣だった。ルベライトの瞳が、確固たる意志を宿すかのように星のように煌いている。 「このシナリオ通りにいくには、優勝しなきゃいけない。――やれるんだね?」 クロム王はいつになく真剣な表情で、愛娘に問いかける。その問いに対し、ルビィは再び天使のような笑顔を浮かべ、一点の曇りもない自信に満ち溢れた言葉で返事をした。 「もちろんです!だって、わたしはお父様の――。パパの娘だもんっ!」 ■■■ ドンッ、ドンッ、と花火が上がる。親善試合が始まった。各国の勇者たちが会場に集う中、ルビィは緊張した面持ちで開式の言葉を告げる。 「本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。ジュエルキングダム第二王女、ルビィ・コーラルハートです」 いつもの子供っぽさは鳴りを潜め、大人の女性らしさが僅かに垣間見える凛とした口調でハキハキと言葉を紡ぐルビィ。彼女の視界の先には、ベーヤ連邦の皇族が座る天幕が映っていた。偉そうにふんぞり返りながら、ルビィを品定めするかのように、いやらしい視線を彼女へ送る中年の男がいた。醜く禿げ上がった頭、脂ぎった顔には醜悪な笑みが浮かんでいた。体型は不摂生の極みの結果だろう、だらしなく膨らんでおり、皇族であることを差し引いたら不審者と言われてもおかしくない。 「(あんな人の奥さんになんかなりたくないっ!)」 彼女は心の底からそう思った。その瞬間、より一層語気を強めて挨拶の締めくくりに入った。 「では、これよりジュエルキングダム主催、親善試合を開催いたします!各国の繁栄と、平和を祈って。そして、勇者たちの御活躍を祈り、開式の言葉とさせていただきます!皆様、本日はよろしくお願いしますっ!」 ルビィ姫がそう言い放つと、会場は熱気に包まれた。沸き立つ会場の中、彼女の決して負けられない戦いが、今ここに始まろうとしていた――。