シランがいなくなった。 今までもどこかにいって騒ぎになることはあった。 でも今回は違う。 もう何日も帰ってこない。 あちこち探していたら、家の外れで地下室を見つけた。 入り口の前にシランの髪飾りが落ちていた。 いつも身に着けている、シランのお気に入りの髪飾り。 どうしてあんな所に落ちてたんだろう? 先生に言ったほうが良いのかもしれない。 …でも、最近の先生は何かおかしい。 いつもみたいに優しくて、いつもみたいに笑ってくれる。 それなのに、何だか怖い。 まるで、別の何かが先生のフリをしているみたいな…。 だから、先生には黙って地下室に降りることにした。 一番奥の部屋に、もっと下に続いている梯子があった。 きっと、シランはここから降りて、出られなくなったんだ。 …怖い。下には何があるんだろう? でも、シランが待っているかもしれない。 はやく助けに行かなきゃ。 ───ある日の記憶