※基本設定は【見習い騎士ver】と共通している https://ai-battle.alphabrend.com/battle/edf97930-47f1-48c2-a291-11f192bb0349 名前:ルビィ・コーラルハート 「えへへ、実はわたし魔法の方が得意なんですっ!」 ■パーソナル 性別:女性 年齢:15 身長:156cm 職業:冒険者・元騎士・現メイジ 誕生日:大洋の月・24日 髪色:コーラルピンク 髪型:編み込みハーフアップ 眼の色:ルビーレッド ■元ネタとなった生物 赤珊瑚 ▲性格 照れ屋・優しい・善良・素直 ▼設定 一人称:わたし 二人称:あなた 癖 :会話においてオノマトペをよく使う。そのせいで見た目以上に幼い印象を受ける。 ★バックストーリー 駆け出し冒険者のルビィ・コーラルハートは華奢な身体に似合わぬ大盾と身の丈程もあるランスを手に戦う騎士であった。 彼女は幼い頃から魔力の扱いに長けており、足りない筋力を魔力で補うことで並の騎士を超える力を発揮することができる。どうみても非力な彼女が前線で戦えていたのは、そういったカラクリがあったからこそだ。 しかし、それは自身に常時バフをかけ続けているようなものであり、長時間の戦闘は彼女自身に大きな負担がかかる。いくら彼女が王家特有の潤沢な魔力を持つとはいっても、人間が持つ魔力には限度がある。 毎回、冒険の帰りには魔力がすっからかん。そのせいで、すっかりくたくたになってしまい、街に帰り着く頃にはふらふらで歩くことさえままならない状態になっていた。 そんな冒険の日常が続いたある日、見かねたギルドの受付嬢から打診があった。 「ルビィちゃん……騎士以外のジョブになってみない?」 「……えっ……?」 その言葉を聞いたとき、ルビィは困惑した。なぜなら彼女にはその選択肢など頭になかったからである。 確かに戦闘中にこけて倒れてしまうことは多いし、その度に迷惑をかけている自覚はあった。それでも彼女は騎士であることに誇りを持っていたし、それ以外の道に進むことなど考えたこともなかった。 だからこそ、すぐに返事をすることはできなかった。 黙り込んでしまったルビィを見て、受付嬢は慌てた様子で付け加えた。 「あっ!ごめんね!?いきなりこんなこと言われても困っちゃうよね!?」 「いえ、そんなことは……」 「でも考えてみて?今までずっと騎士として戦ってきたんだから、違う職業になったらどんな感じなのか気にならない?」 その言葉にルビィは思わず考え込んでしまった。言われてみればたしかにその通りかもしれないと思ったからだ。 (新しいことに挑戦することで見えてくるものもあるかもしれないし、もしかしたらわたしが思いつかなかったようなきらきらな戦い方もできるようになるかも……?) そこまで考えたところでふと顔を上げると、そこには期待に満ちた眼差しを向ける受付嬢の姿があった。どうやら返答を待っているようだ。 (よし……!決めた!!) 心の中でそう呟くと、ルビィはゆっくりと口を開いた。 「わかりました。わたし、やってみますっ!!」 それを聞いた瞬間、受付嬢の表情がぱぁっと明るくなった。そして嬉しそうにガッツポーズをすると、大きな声で叫んだ。というより、吼えた。 「よっしゃーーーいっ!!!これでルビィちゃんのツラそうな表情に笑顔を取り戻すことができるわァーーーっ!!!」 その声に周囲の冒険者たちがひっくり返りながら何事かと振り向く中、当の本人だけは苦笑いを浮かべていた。 (や、やっぱりこうなるんですね……) こうしてルビィは転職することになった。実は、彼女の適正はギルドの登録当時から魔導士(メイジ)であると散々散々言われてきたのだが、頑なに騎士を希望し、押し通してきたのだった。 そんなにも騎士に固執する理由は、彼女が騎士に憧れるようになったキッカケにあった。ルビィがまだジュエルキングダムの王女として、のほほんと過ごしていた頃、とある国の王国騎士団長の女性に出逢った。彼女は女性でありながら、王国の盾と名高い騎士団の団長を務めており、騎士道を重んじる正義感に満ちた至高の騎士であった。 「わたしもいつかあの人のように強くなりたい」 彼女は王女でありながらそんな夢を持つこととなり、数年後には華やかな王宮での生活を飛び出し、冒険者の世界へと飛び込んだ。 彼女がランスを使い続けるのも、その女性騎士が3mはあろう巨大な槍を持って凛々しく戦う姿に憧憬を抱いたからだ。 だから、たとえ周囲から何を言われようとも頑なに自分のスタイルを貫き続けてきたのだが、ここでとうとう折れてしまったという訳である。 ◆◆◆ そうして、家に帰ってからずっとジョブチェンジ申請書なる羊皮紙とにらめっこしていたルビィであったが、翌朝ようやく腹が決まり、意を決してギルドへとやってきた。だが、やはりというかなんというか、その場に居合わせた冒険者たちから様々な声が聞こえてきた。 「ついにルビィちゃんが騎士を辞めるんだ……」 「危なっかしくてパーティーの壁役なのに、逆に俺らが護ってしまってたからな……」 「でもルビィたんが幸せならOKです!」 「やっぱり転職先は魔導士かな?」 「魔女っ子萌え~!」 「いや、案外僧侶とかかもしれんぞ?」 「漏れの心も癒して欲しい……!」 「「さっきからなんなんだテメーはよ!!!」」 ……などと、野次馬はギャンギャンギャンギャン騒いでいた。 中には本気で心配してくれる声もあったが、彼女をからかうような声も少なからずあった。 だが、今の彼女にとってはそんなことなどどうでもよかった。それよりも、これから自分がどのような道を歩むことになるのか、それしか考えられなかった。 少女は意を決して、ギルドの扉を押し開けた。 「おはようございます!お待ちしておりましたよ、ルビィちゃん!今日もお人形さんみたいで可愛……ゲフンゲフン!奥の部屋へどうぞ!」 そう言って出迎えてくれたのは受付嬢のミレイだった。彼女もまた、まるで自分のことのように嬉しそうな表情を浮かべている。……なんか涎が垂れていたのような気がするがそれは見なかったことにする。 彼女に案内されて応接室に入ると、そこには一人の男性が座っていた。 年齢は30代半ばといったところだろうか。長身で体格もよく、鋭い眼光はまるで獲物を狙う鷹のようだ。口元に蓄えられた髭がよく似合っており、歴戦の戦士といった風貌をしている。 彼は立ち上がると、こちらに向かって丁寧にお辞儀をした。 「お久しぶりだね、ルビィ・コーラルハートさん。覚えているかどうかわからないが、私はこのギルドの長を務めているホークという者だ。改めてよろしく頼む」 その声はとても穏やかで優しく、聞いているだけで心が安らぐようだった。それだけで彼が信頼に足る人物であることが伝わってくる。 「はい、もちろんです!お久しぶりです、マスター・ホーク様!」 ルビィもまた、笑顔で挨拶を返した。すると、今度は隣に座っていた受付嬢――ミレイが口を開く。 「では、さっそく本題に入りましょうか。まずはこちらの書類に目を通してください」 いつもの変態じみた態度はなりを潜め、真面目に対応するミレイが少し面白いとルビィは思った。 そして、差し出された紙束を受け取ると、そこにはいくつかの項目が並んでいた。どうやら転職にあたって必要な手続きや注意事項などが記載されているらしい。 ざっと一通り目を通してみたところ、特に難しい内容はなさそうだったのでそのままサインすることにした。 全ての欄に記入が終わると、それを確認した受付嬢が頷いて言う。 「ありがとうございます。これで無事に手続きが完了しますよ」 その言葉にルビィは大きく息を吐いた。なんだか肩の荷がおりたような気分だ。 「はい、お疲れ様でした。あとの諸手続きはギルドの方で処理しておきますから、今からルビィちゃ――、ゲフンゲフン!冒険者様の新たなカードを発行いたします」 言い間違えそうになったところを咳払いで誤魔化しつつ、彼女は立ち上がって足早に奥の部屋へと向かっていった。 ルビィも苦笑交じりにギルドマスターに会釈をして、ロビーへと戻っていった。 ◆◆◆ それからしばらくして戻ってきたミレイから手渡されたのは一枚のカードだった。 カードの表には『Fランク』とでかでかと書かれており、裏側には顔の肖像画が貼り付けられている。カメラという魔道具で撮影した、写真というものらしい。転職しただけではランクが上がるわけがないが、Fランクの文字にちょっぴり気分が落ち込んだ。 どうせなら昇級のタイミングで新しいカードを手にしたかったなと考えながら眺めていると、受付嬢のミレイは説明を始めた。 「そちらのカードですが、基本的には前とほぼ同じです。ルビィちゃんの可愛い笑顔のお写真もばっちりそのままですよ☆」 「あ、あはは……そうですか……」 相変わらずブレない彼女に苦笑いを浮かべつつも、一応お礼を言っておくことにする。 「ありがとうございました、ミレイさん。色々とお世話になりました」 「いえいえ、どういたしまして。……でも、新しい職業は本当にこれでいいんですか?自己申告とはいえ、こんな奇抜な職業だとやりにくいんじゃないかな?」 心配そうに問いかけるミレイに対して、ルビィは首を横に振って答えた。 「いいんです!それに、わたしがやりたいって言ったことですし!」 「……そっかぁ~、わかった!じゃあもう何も言わないわ!正直、この職業はルビィちゃんにぴったりだと思うし!頑張ってね!お姉ちゃん、ここから応援してるから!」 そう言い終わると、ミレイはルビィの手をぎゅっと握って応援してくれた。いつの間にかタメ口に変わっているがそれは聞き流すことにして、ルビィはニコッと微笑み返しながら頷いた。 「はいっ!これからは【スイーツメイジ】としていっぱい頑張ります!!」 こうして、ルビィはスイーツメイジとしての第二の冒険者人生を始めることになったのであった。