「ねえ。どうしてずっと本ばかり読んでるの?」 「君のような人と関わりたくないからだよ」 彼女と親友との出会いはそんなつまらない会話だったから。 「今日はミステリー小説か。いいね。私も好きだよ特にあの…」 「うるさい。静かに読めないじゃないか。」 「今日は…なにそれマホウカガク…」 「うるさい…魔法科学応用式永氷の安定性ついての考察」 「なにそれ難しい」 「君もこういう本読みな。まずはこれでも読んで静かにして」 「うん分かった!」 「見て見てこの前貸してもらった魔導書に書かれてた魔法」 「どうでもいいからコーヒーでも取ってきて」 「もう。人にもっと興味を持ちなよ」 「いや。どうしてよく分からない人が思ってることを考えながら喋る作業をしなきゃいけないの。」 「ねえ」 「なに」 「どうして私とは喋るの?」 「あんたがいつも突っかかってくるからよ」 「そう…ねえ」 「なに」 「私はいつだって傍から離れないからね。」 「なにそれ怖い」 「そう」 そうして日々は過ぎ、戦争が始まった。 「君も徴兵されたのかい」 「うん。色々と本読んでて魔法が沢山使えちゃうから」 「私に突っかかって来なければ家でゆったり家族の帰りを待っていられたのに」 「いいの。私に後悔なんてない」 「そう。せいぜい生き残りな」 「羽矢もね」 「はーはー」 (さすがに戦場は過酷だ。訓練したとはいえ元々本ばかり読んでるような私には辛すぎる。魔法使いだからある程度荷物は軽いけど、それでも多すぎでしょ。…あいつは運動もしていたし、きっと元気にやってるんだろうな) 「やっと戻って来れた」 (やった戦争が終わった。久々な落ち着ける時間だ) 「あいつはどこかな。確か11番隊とかだからここら辺に…」 そこにあったのは死体だった。焼けこげ、原型も留めていなかった。ただ羽矢には魔力の様子から分かった。分かってしまった。そこには親友であったものの死体だと… 「お前の名前死んでから初めて知ったよ」 墓の前で笑いながら言う。 「お前の分私が生きてやる。だから元気でな」 そう言い彼女は孤高に生き残る。勝ち負けは気にしない。友との最後の約束を果たせるまで