彼は孤児だった。首の皮一枚を繋ぐような日々を過ごしていたが、それでもなんとか生き抜いていた。 ある日友人ができた。彼もまた孤独だった。二人は意気投合し、共に生き抜くために過ごした。 いつも通りその友人と探索していたときのこと。色々な修羅場をくぐり抜けてきたつもりだった。魔物だって最初は逃げるのが目一杯だったが、最近は一人でも無傷で倒せるようになってきた。だが自然の厳しさは何も外敵だけではない。 二人は雷雨に遭った。 雨と暴風は視界を塞ぎ、コンパスなんて高価なものはない。そんな状態では当然まともに動くこともできず、はぐれてしまう。次に友の顔を見たのは夜が明ける頃。ボロボロになりながらも二人は生き延び、合流した。しかし弱っていれば目をつけられる。 相手はどこにでもいるような魔物。しかし疲労困憊だった二人には充分な強敵だった。戦いは終わったが、一人は限界を迎えた。もっと自分が強かったら。もっと色々な事態に備えていたら。目の前で死んだというのは彼の心に多大な影響を与えた。 強さがなければ選択肢すら与えられない。幼い頃からそうだったではないか。何を浮かれていたのか。 以来彼は常に強さを求め続けている。二度と悲劇が起こらないように。 二代目 https://ai-battler.com/battle/2d779f1c-614c-4829-a6ff-6e1b2a11bd85 直接的な関わりはなく、継承されたのは二つ名だけ。悲しいことに性格は真逆である。