※おまけ悪約の狂想曲の第1章と思っていただければ。 第一章 《失億者の目覚め》 離れの孤島/廃れた教会 意識が覚醒する_ 此処は何処か狭く暗く、、、何かの中の様だ、、考えていても仕方がない。私はそう考えとりあえず手を伸ばし開けてみる事にした… 手を伸ばし、それを触り、退かす。 すると視界に眩い光が差し込んできた。 『ここは、、、一体、、』 見渡すと横に長い椅子の様な物が並べられ、振り返ると何やらカラフルな硝子、そして 『、、棺、、?そして楔、、、』 屋内だと言う事は理解した。そしてこれが棺だと言う事は"覚えている"どうやら私は、棺の中で眠っていた様だ。 『何故、、、?』 そもそも私は一体、、ッッ思い出そうとすると固く何かに戒められているかの様に、頭に痛みが走る。 『思い出せない、、か、、、いや』 自分に関する事や棺の中より以前の事は無理らしいが、言葉や知識なんかは、ある程度思い出せる様だ。 ふと脳内で言葉が浮かび上がる。 『、、、、、戒め、、禁忌、、、代償、、、、、?いや今考えても仕方がない、、か』 仮にこれが元の私の何か、記憶に関係している。もしくは、記憶を失った原因に対して何かしらの関連性を持っていたとして、恐らくは現状自力で思い出す事など、不可能に近い。そう結論付け次の思考に移る。 そもそも此処は何処なのか。 よく分からない。今ある知識に無いのか、はたまたあの棺で眠るより以前に存在していなかったのか。だとして、どのくらい眠っていたのかすら全く分からない。 ふと自分の身体を見た。左腕は無く… 『白いな、、、』 とにかく白くそしてどうやら服を着ていない。探索も兼ね着れる物でも探しに行くとしよう… 歩く事数分気づいた事がある。 随分長い事、放置されている様だ。ボロく崩壊している所もあり所々ツタが生えている… 『部屋、、?』 ドアを開く。中は特にこれと言って言う事はない殺風景な部屋。ベッドやロッカーそして机が置いてあるだけだった。 手始めにロッカーを開けた。 『、、っとこれは運が良い』 ロッカーの中には、丈が長く黒を基調とした服があった。 先程見つけた服を着用した後、テーブルを見やった。鏡が置いてある。 『白髪だな少し黒も混じっているが…?私の眼、、片方、、、そうか、、、、、』 私はどうやら左腕に加え右目も使い物にならなくなっているみたいだ。 『…これは耳飾り?』 耳に何か飾りが付いていた。 これは… 『天、、秤、、、?ッッ!』 頭痛だ、、だけど、、、何処か 『懐かしい…』 恐らく以前の私に関する物なのだろう。 残るはベッド、まぁ見る必要はないだろう、、、終わりか。 (部屋を出る) 部屋から出た後またしばらく探索していた。そしたらある物を見つけた。これは恐らく日記だ。 まぁ最も焼け爛れているので当然文字など読めた物ではないが… 『そろそろ此処を出よう』 数分程出口を探した末に見つけ外へ出た……そして何やらこの建物は街の中心部にあったらしい。 だが見た感じこの街は… 『酷い有様だな、、私があの中で眠っていた事に何か関係があるのだろうか、、?』 此処が何処で、私は一体なんなのか。何故私はあの棺の中で眠っていたのか、、そんな事考えても先程同様分かる筈もなく。再度その思考を放棄する。 まぁいい此処にいても仕方ない… と、、いっても此処が何処かも分からないんじゃ出来る事なんて限られてくる訳だが。 『そうだ川を探せば、、、』 そう、、恐らく川を探し見つけ辿っていけば何処かしらには辿り着けるだろう。 ……⁈ "気配がした"少なくとも今までこの街には生き物の気配など微塵もしなかったと言うのに。 (振り向く)あれは、、少女、、、?何故こんな所に、、、無言でこちらを見つめている。何かを訴えようとしている、、のか、、、?困惑や疑念が湧いてくるが、とりあえず話しかけてみる。 …(少女の元へ歩き話しかける) 『君は?何故こんな所に、、なんて私が言えた事じゃないが、、、』 (少女は無言のまま手を動かし、指で方向を示した。) 指した先は森だった。なんだ、、?その方向に何かあるのだろうか? 『…貴方此処で目覚めたのでしょう、、?』 (少女は口を開きそう言った) とりあえず正直に答えてみるか… 『、、、あぁその通りだ。君は此処が何処か知っているのか、、、?』 … 『私が何で此処を知っているのかどうかなんて今は重要じゃない、、今大事なのは、貴方が何処へ向かうべきかだよ…』 確かに一理ある。そして話から察するに… 『要するに君が指をさした方向に行けば良いと?』 … 『そう、、今はそうするべき、、、この方向へ行けばきっと大丈夫…』 、、、敵意は感じない言う通りにするのが吉、、かどうせ宛も無いのだ。『、、分かった君の言う通りにしてみようか』 … 『きっとそれで良い、、、』 そう言った少女は瞬きの合間に消えてしまった…が少女がいた筈の場所に銀光放つ一本の美しい短剣と手紙が置いてありそこには。 『護身用、、持って行って』 と書かれてあった。 『、、感謝するよ。』 一人そう呟き短剣と手紙を服の中へ仕舞い歩き出す… そして歩き出してから1時間程経過した。 『森に入ってから結構進んだが、、獣などがいるばかりだな、、、』 道中何度か襲われてしまった。だが体の動き自体は鈍かったものの、渡された短剣を使い、なんとか退けた。それから暫く進んだ後… 光が見えて来たやっと抜けれる様、、 『崖、、か、、、それにかなり高いな、、そんなに高い場所に居たとは、、、あの少女はこれを知った上でこの方向へ行けと、、、?』 (遠くまでを見渡す)すると此処はどうやら陸地離れた孤島の様だった。 『(ため息を吐く)仕方ない、、か』 降りる事にした。どうにか頑張って… 『全く私は隻腕な挙句隻眼だと言うのに。こんな無理難題…』 どうにか時間を掛け降りれた。そして近くに運良く滝もあった。お陰で水を飲む事が出来る。 (失億者は水を飲み少し休息を取った後また示された指の方向へ進み出した) ようやくまともな道だ恐らくこの道を進んで行けば良いのか少女が言っていた方向にも合っている… 『とりあえずこの孤島の端まで行けばいいのだろうか…』 途中途中適当な木の実を取って食べ稀に出くわす動物達に警戒しながら歩く事約2時間後… 『…空が暗くなってきたな今日中には辿り着けない、、か』 仕方ない。此処らでそろそろ休息を、、、いや無理だな。場所も無ければ、私が今持っている物は短剣たった一本だ。現状木を切る事も難しいだろう。ならばこのまま歩き続けた方がよっぽどいい。強いて言えば視界が悪く襲われた時の対処、、か。まぁそれで狩られる程柔な身体、、、まぁ最大限警戒して進んで行けば良い。 あれから暫くしなんとか森を抜け夜が明けて浜辺まで辿り着いた訳だがしかしだ。 (眼前広がる大海原を見つめ) 『少女よ、、ここから私にどうしろと言うのだ』(遠く先に見える陸地と微かに見える街並みを見捉え独りごつ) (すると、、遠くに船が一隻見える事に彼女は気づいた。進行方向はこちらとは少し違うが、なんとかして気づいて貰えるかも知れない。と考える) 『旗でも作って置けば良かったか?』 そう呟き苦笑を浮かべながらなんとか気付いて貰える様に動きだす。 と言っても片腕を頑張って振るぐらいしか現状出来る事が無い。火でも起こせば少しは気付き易くなるだろうが、それが出来れば苦労はしないだろう… 第二章へ続く…