アイテム番号:SCP-001-JP オブジェクトクラス:Keter 特殊収容手順:SCP-001-JPを保管する手段は存在しません。我々だってその一員だからね。ははは。 説明:SCP-001-JPはこの宇宙に関する複数の認知不可能な現象です。SCP-001-JP-Aは定期的に起こる現象です。一般的にいうところの天蓋が蓋を開けるように開き、そこから巨大な人間の幼児のものそっくりの手が現れ、複数の超常的な存在……面倒だからこれ以降SCPでいいよな……及び人間だけではない知的生物を地面に投げ出します。現れたSCPに対する対抗手段を投げ出された知的存在は持っており、既にSCP関連組織の職員であるように振る舞います。私だってそうだったんだろう。 SCP-001-JP-Bはそのような現象を、この宇宙に存在するもの全てが無視するということです。天蓋からの手の出現は例え目の前で見ていても一切認識しません。投げ出したSCPは新たに発見された脅威として扱われますし、それらのSCPが人語を解し話す場合自分の出自が投げ出されたということに一切気づいていません。古代の恐怖であったり、伝承の存在であったり、突然現れた恐ろしいものであったり、そのように振る舞いますが天蓋から自分が投げ出されたことは一切気づいていません。ばっかみてえ。投げ出された知的存在はSCP関連組織に昔から所属している信頼すべきエージェントや博士として、たとえどんなに異常な能力や性格を持っていたとして振る舞いますし、周囲もそれを当たり前のこととして受け止めます。人事ファイルなどのすべてのデータは昔から彼らが存在していたようかのごとく出現します。 SCP-001-JP-Cは全てのSCP及びSCPへ対抗・利用するすべての組織に起こる現象です。非定期的にSCP及びSCP関連組織の人員は、その存在の一片も残さず消え去ります。データや収容所、研究施設も跡形もなく消え去ります。SCPに割り振られたナンバーにはしばらくすると別の新しいSCPが割り当てられます。要するに我々のやってきたことは単なる茶番です。……どうせこんな記事だって意味ねえんだ。多少なりとも体裁守って書いてたけどもういいだろ。ペンでの走り書きなんだから。 O5も天蓋から手が出てSCPやら職員をばらまいてるってことに気づいてない。私が今こうして記事を書くまでSCPファイルの何処にもこの異常現象に関する記述はなかった。この宇宙全部が誰かの操り人形劇場であり、おもちゃ箱でしか無いし、私達のやってることはただの茶番なのに。それも、飽きたら消し去られるってだけの。こうやって書いている私だって、自己意志で書いてると思ってるけどそんなことは無いんだろう。多分天蓋の上でおもちゃをいじりまわしている餓鬼の操り人形なんだ。この文章に気づいてくれるのはその天上の餓鬼しかいない。私がこんな恐ろしいことに気づいてるってことすら、なんの意味も持ってない。O5だってそれは一緒だろう。みんな操り人形だ。 O5の誰なのかは知りませんが、白紙の報告書を最重要機密に挟んでおくというのは誉められたことではありませんね。ダミーファイルのつもりなのかもしれませんが、それならそれらしい報告を書いてください。なにも書かれていない、こんなぐしゃぐしゃの白紙を他の団体のスパイが見たとして、誰がこれを機密文書だと思ってくれるのですか? —O5-7