俺、山田風太郎っ! ところで突然なんだけどさ、コインって面白いよな? だってよ!、裏と表しかないんだぜ? 口を付けていた紅茶の入ったカップを静かに置き、私は疑問を口にする。 「それが一体どうしたんですか?」 私はフウタローを見入る、彼はだらしない顔でクッキーをぼりぼり貪っていた。 「いや、でもよ……コインの裏表なんて言葉は元々は人間が考えた概念だろ?、だからコインは裏や表なんて本来は存在しない筈なんだよ」 「はぁ………、また貴方はどうでもいい事を……」 呆れたように愛は呟き、再び紅茶を口に含む。 「」