能力 【終始全を見通す眼】 世界の全てを見通すことが出来る、ただそれだけ 【不老ふし】 不老だが不死では無い、世界が終われば死ぬ 男はごく普通の学生生活をすごしていただけだった。 ただ運の悪いことに、世界の管理者がちょっとした実験をするために、彼を選んだ、無数に存在する世界のほぼ無限に近い種類、数の生物、その中のたった1に選ばれたのが彼だった。 彼の世界は選ばれた瞬間から変わった、膨大な情報をずっと見させられていた、成長しない身体と老いる周りの人間、自分だけを残して何もかもが変わった。 その眼のせいで嫌なものも見続けた、凄惨の戦争を、無理心中する家族を、大切な人に唾をかけられた人の顔を、ただただ見ることしか彼には出来なかった その眼で良いものも見続けた、脚を失ったがそれでも立とうとする獣を、目が見えぬが光を見据えた者を、助け合い生きるモノたちを 彼はこの能力を与えた者を知っている、だが彼にその者を攻撃する資格も、同じ場所で息をする資格もなかった。 彼は望む、その者を殺してくれと 彼は望む、戻れるならあの幸せな時間に 彼は願う、今を生きるモノに幸あれ