アルガリアの本(半分) 君の話を聞いて走っていったときには既に演奏を終え、自分の身体でピアノの蓋を下ろしたおぞましい演奏者がそこにあるだけだった。初めて理解することの出来ない沢山の感情が湧き出始めたんだ。今ですらその感情がどんなものか定義することは難しいけど、中から深い闇が漏れ出すような気分だった気がするなぁ。でも、君が眠りに就いているというピアノの前で涙ぐまなかった。君はそこに居ないってことに直ぐ気付いたから。