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【蒼眼の遺機】アリウス

私は、14年前までは王室に仕えていた。 内戦で王国が分裂するまでは。 あの時、私は国が壊れていくのを身をもって感じた。 国王は、その足の壊れかけた椅子にしがみつこうとした。 私はそれを止めようとした。それでも変わらなかった。 結果、その椅子は崩れた。 私の役目は、たとえ無様だろうと、国王を護ることだった。 しかしあの日、私は守れなかった。いや、守らなかったのだ。 当時は、そのほうが良いと思ったが、それは正解だったのだろうか。 今、歴史は繰り返している。もし、国王がいればそれを止められたかもしれないというのに。